内容説明
ある寒村に病死者が続く。原因は不明。若き医師ピーターは、病因をつきとめようと、恩師ジェームズ卿とともに、ついに村の墓地を暴く。2人の発見した驚くべき事態。だが、それは恐るべき真相のほんの一端にすぎなかった。(「吸血ゾンビ」)カルパチア山脈を旅する4人は、とある古城に誘いこまれた。その夜の血の惨劇から、暗黒の凶人が復活する。そして聖なる戦いを挑む神父シャンドール。(「凶人ドラキュラ」)怪奇映画としてもその名を知られている、ホラー傑作双編、完訳!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫
2
7年ぶりの再読。特に読み返してみて発見したという新事実はないですが、全編にわたって「キ✕ガイ」という表現が連発しており、時代の流れを痛感させられるのであります。1980年代はこんな文章が当たり前だったんだ……。収録作は英国ハマー映画のノベライズ二本立て。『吸血ゾンビ』は1905年が舞台なのに「スローモーションの映画のようだった」なんて表現が出てきて、もしかして映画のノベライズにひっかけたユーモア? 『凶人ドラキュラ』も19世紀末の話なのに「月に飛んで行くのと同じ」なんて、思い切り時事ネタではありませんか。2023/08/08
紫
0
英国ハマープロの1960年代作品のノベライズ。『吸血ゾンビ』『凶人ドラキュラ』のカップリングであります。プロットは基本的に映画と同じ。序盤~中盤は雰囲気たっぷりで実に読ませてくれるものの、結末の駆け足のようなあっけなさはホラー映画のノベライズとしてはやむを得ない宿命なのか、それともたんにページ数の制約のためだったのでしょうか。どちらも150ページ前後の、中編程度の分量で、原作(映画脚本)の出来がそのまま面白さに反映されてしまっているという感じ。 前半の『吸血ゾンビ』の方がずっと面白いです。星4つ。2016/10/25
丰
0
Y-202006/11/02