内容説明
シーレーン(海上航路)問題を抜きにして、日本の防衛を考えられない。太平洋戦争でこの問題を体験して著者が、数々の実例を基にして記述した書。現代にも通じる貴重な体験記。
目次
第1章 開戦計画における大誤算
第2章 国力かまわず前線へ前線へ
第3章 戦争指導の転換期
第4章 「海軍に二大戦略あり」
第5章 決戦準備の輸送、資源蓄積の輸送
第6章 崩れ去る夏の陣
第7章 南方ルート臨終記
第8章 日本本土完全封鎖
感想・レビュー
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early_tosh
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「日本海軍400時間の証言」で知った大井篤大佐の著書と言う事で購入。 米国には海戦だけでなく、その前段階で既に敗れていた事が分かる。船腹量という単純な数字が最も分かりやすい指標になる事も意外に知られていない。海上護衛において、日本海軍は通商維持をいかに軽視していたかがよく分かる。また、いかに連合艦隊に偏っていたかも。日本の生命線はシーレーンであることは今も変わらず。 組織論として読むと、海軍は前線の対症療法に追われ、根本の原因を解決しないでジリ貧になって破綻するという典型だったと言えるのだろうか。2013/12/03
Tatsu
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海上護衛参謀が描いた日本海軍における海上護衛に関する一級資料、私は高校生の時に朝日ソノラマで復刊されることを知り、その出版が待ち遠しかったものです。本書は当時は絶版になっており、海上護衛に興味を持ち始めた私にとって何としても読みたい本でした。最前線の対処療法のみに目を奪われ船舶問題とは何かを追求しないまま、海上護衛をおろそかにした日本海軍は、やがて燃料をはじめとする戦略物資の欠乏で息の根を止められてしまうさまは、今でもそこら中の組織でよくみられます。
砂漠
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日本の指導部がいかにずさんな体制であの戦争に臨んでいたかが分かった。 海の国である日本は今も昔もシーレーンが要であるはずだ。2012/06/20
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