内容説明
描写性能を命とするカメラのレンズには、設計者の哲学と美学がこもっている。日本の光学技術を代表するニッコールレンズも、その意味では哲学と美学の結晶といっていいだろう。これはその設計現場で「ニッコール」の伝統と遺産を受け継ぐ二人の技術者が、製品の裏に秘められた先人たちの熱い思いとこだわり、数々の神業を掘り起こし、一つひとつその描写性能を検証していった物語である。
目次
現在に伝承される対称型広角レンズの原型―ニッコールO2、1mmF4
普及型ながら高性能な標準レンズ―Aiニッコール50mmF2
対称型大口径広角レンズ―Wニッコール3.5cmF1.8
一眼レフとズームの利便性を利用した―ズームニッコールオート43~86mmF3.5
ベストセラー中望遠レンズ―Aiニッコール105mmF2.5
世界初で唯一の正射影魚眼―OPフィッシュアイニッコール10ミリF5.6
ノクトニッコールの源流・ガウスタイプの超大口径レンズ―ニッコールN5cmF1.1
半生記の歴史持つレンズ―ニコノス用Wニッコール35mmF2.5
世界最大画角への夢を実現―ニッコール13mmF5.6
EDレンズを身近な存在にした―AiニッコールED180mmF2.8S〔ほか〕
著者等紹介
佐藤治夫[サトウハルオ]
1963年東京都生まれ。1985年に日本光学工業株式会社(現(株)ニコン)に入社。20年間一貫して写真レンズの設計に従事。現在は設計を離れマーケティング統括部に所属。代表作はAFニッコール24~120mmF3.5~5.6D、DXニッコール12~24mmF4G
大下孝一[オオシタコウイチ]
1962年広島県生まれ。1985年に日本光学工業株式会社(現(株)ニコン)に入社。ファインダー、交換レンズの設計を経て現在はCoolpixカメラ用レンズの設計を担当。交換レンズではAiニッコール45mmF2.8Pなどを設計(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。