内容説明
大学・企業等で日々生みだされる研究成果を初めとする膨大な情報を的確、迅速に処理することは独創的な研究を進める上で、必要不可欠な手続きといえよう。本書では、こうした見通しに立って、様々な学の分野内で、また学の分野を横断的に結びつけて構築されている情報ネットワークの現在が論じられている。コンピュータ・オンラインで接続された〈情報〉は、社会をどこへ導くのか?知識と知恵の創造的な再編成の行方を示唆する一書である。
目次
学術情報システムの展望(オンライン図書館への展望;学術情報センター・オンライン共同分担;目録システムの現況と将来;データベース操作とワークステーション;標準学術用語と多言語シソーラスシステム;学術用語集の機械可読化とその高度利用)
特別講演 学術情報とその流通技術
知識情報の集積と知的利用―人文・社会科学へのアプローチ(国文学におけるデータベース形成とその高次利用;歴史学研究に対する計算機の活用;古写本の計算機処理;経済データベースの現状と課題;経済分析用エキスパートシステムの開発)
マルチメディア情報システム(マルチメディア学内情報システム〈IMES〉;マルチメディアの知的ファイリング・システムの構築;多次元X線像の新しい処理法と表示)
材料と情報システム(化学と情報―分子設計のはじめからおわりまで;材料データシステムの新しい展開)
生命科学を支える情報(文字・画像・知識の総合化;日本のDNAデータバンク;医用画像データベース;下顎運動機能データベース)
認知科学と人工知能(人工知能と神経情報処理;日常会話システムの設計;対人相互作用実験)
高次知識情報処理(知識情報処理研究の進展―大学の場合;多元情報受容系と感性情報処理;知識科学の展開;高次コミュニケーション)