感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
uburoi
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はじめにエピステーメー叢書があった。いま平凡社ライブラリーに入っているが、s53年発行の本書は時折4つぐらいに畳んだページに関連図版が盛りだくさん。本文には出てこないコクトー、ボードレール、バロウズ=ギンズバーグまであってまるで麻薬によるビジョンの教科書のようだった。ハクスレーの文章は正確にメスカリンの五感への影響を写しとる。空間と時間に対する完璧な無関心。思考は菩薩の真如、チベット「死者の書」にある虚空の光明までに及ぶ。絵画への言及が多いのだが、音楽も印象深い。特にジェズアルドのマドリガル集が。2015/08/22