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出版社内容情報
ペルーのアマゾンに眠る、伝説の正体を追い求めて。
「ペルーのジャングルの奥深くに、沸騰しながら流れる大きな川がある」。落ちれば命を落とすほどの熱湯。祖父から不思議な話を聞いた少年はその後、地質学者となって伝説の真偽を探求する旅に出る。黄金の都市「パイティティ」は実在するのか? シャーマンが守ってきた神聖なる土地にも、開発と伐採は忍び寄る。科学と神話が衝突し、融合する。すべてが「既知」になりつつある現代に「未知」への好奇心を呼び覚ましてくれる、スリリングな探検と発見の物語。
「おそらく現代の繁栄は、未来の人類滅亡を早めることで成り立っている」
……服部文祥(解説冊子より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Sakie
14
TEDトークの続き。アマゾンの密林の奥地に、沸点近い熱湯が轟々と流れ続ける川、"煮えたぎる川"があるという。その謎を探る地球物理学者の日々を軸に、それこそ枝のようにいくつものトピックが絡まりあっている。白人による侵略の歴史、油田開発、『先住民であることを忘れた先住民』による無許可森林伐採。規制が厳しいがゆえに石油会社がジャングルの擁護者になるのも、最終的な解決でなくとも希望だ。先進的なシャーマンの存在感が大きい。『私には私の科学』。科学は文化の数だけあっていいんじゃないか。別の科学で証明できるかは別の話。2025/04/03
sasha
11
子供の頃、祖父から聞いたアマゾン奥地にある黄金都市と「煮えたぎる川」。地質学者となった著者が伝説の「煮えたぎる川」と出合い、何故熱湯が流れるのかを調査する過程と、徐々に迫る自然破壊を食い止める術を考察する。石油掘削会社の存在が、自然破壊を防いでいるとの話に目から鱗。伐採され焼き払われた原生林の写真が掲載されているのに心が痛む。文明と文化の共存は難しいのかな。日本のバラエティ番組でも取り上げられたようだが、こういう場所でバカ騒ぎしてないだろうな。2017/12/11
なかちゅう
5
「火山地帯でもないアマゾン奥地に煮えたぎる川が流れている。」祖父からきいた話をもとに隠された川を探す地質学者の著者。その川は確かにあった。そしてその川を調査するにつれて、ジャングルに住む人々の伝統とスピリチュアルの流れと開発による環境破壊の流れや地域の貧困問題が複雑に絡み合っている現状に気づく。調査の最終段階に入ったのが2015年。近い将来この川は地図に載るだろう。写真も迫力があって美しい。こういった「神秘」の存在といわゆる「文明」を分けて考えることをやめるところから「変化」が始まるのかもしれない。2018/01/07
nickkk
1
温泉のようなものでは?と思うが地上に来るまでにかなり冷めるらしい。煮えたぎる川は非火山性地熱系で、断層の熱を利用している。活火山の中心部から640キロ以上離れている。煮える泡は断層から発生し、断層帯から熱水が溢れ出て、川の水温を上げると同時に、水量を増やすのを繰り返すことでで存在した(具体的な温度には触れず 写真クレジットで97℃表記があった)。熱湯は6.5キロ、ところどころで180センチ以上の深や25メートル近くの幅になる。原住民の信仰と森林環境破壊にも触れ、いかにもTEDらしいつくりだ。2023/09/14
y
1
いい意味で不思議な本でした。 科学的な事実と現地で生きる人々の真実が不思議と両立している感じでした。 本書に登場する人々の気持ちが、ストレートに感じられました。2018/09/07
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