出版社内容情報
ゲーテ『西東詩集』中の詩「至福の憧れ」の一節をもとに、その詩的淵源をイスラーム神秘主義のうちにさぐる試み。
井筒俊彦らに導かれつつ、九世紀スーフィズムの偉大な指導者にして殉教者であるハッラージュのあるテクストにまで遡り、
そこで「火蛾」の形象に出会う。さらにはベンヤミンによって提起されたゲーテとボードレールにおける〈詩とアウラ〉の問題、
あるいはゲーテとイスラームにおける〈色彩神学〉の可能性についての考察が加えられる。
目次
1(ハンマー訳ハーフィズ詩集;双子の兄ハーフィズ;ゲーテのプレテクスト ほか)
2(至福の憧れ;循環する焔;肉の悲しみ ほか)
結びにかえて―ふたたび「死して成れ!」について(レーヴィットとテレンバッハ;ジャラール・ッ・ディーン・ムハンマド・ルーミー;『ルーミー語録』と井筒俊彦)
著者等紹介
〓橋明彦[タカハシアキヒコ]
1952年東京生まれ。上智大学大学院文学研究科ドイツ文学専攻博士課程退学。上智大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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