内容説明
事故後、1,800余の質問に答えてきた専門家たちの記録、福島第一原発事故「以後」を生きる私たちのガイドブック。全回答から80を厳選、全面改稿。
目次
第1章 福島第一原発事故の記録(直後の混乱を振り返る;子供を抱えて;日々の暮らし;福島に生きる)
第2章 放射線防護の科学的基盤(放射線被ばくとその影響;専門家不信に抗して)
第3章 誰がどのような質問をしたのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
19
福島第一原発事故後2年間に渡って運営された暮らしの放射線Q&Aから80問を選んだ単行本。現代人必読の1冊と言ってよいと思う。中でも冒頭の本書を読む前にという対談と100mSvの意味については放射線についてどう考えるべきか?ということを嘘やデマに惑わされずに考えることができるようになる点でわかりやすく纏まっている点でも重要だと思う。本文も事故直後の混乱を読み返すと原発事故会見に集まった報道機関が科学担当者をほぼ送らなかった悪影響が尾を引いていたんだと悲しくなる。2013/07/23
壱萬参仟縁
9
80に及ぶ質問に応じる形式。身体的影響である被爆した当人の体に出る、遺伝性影響である子孫に出る、2つがある(34頁表)。トリチウムなどは体内に沈潜、こびりついていくイメージもある。本書は放射能被曝にまつわる、自分に心当たりのある、あるいは、当事者ではないか、という漠たる不安を抱える人にとっての導きの糸。冒頭では子供の健康への心配をする親の切実な訴え。大規模な野焼きの影響も指摘される(176頁~)。0.11μ㏜とのこと(177頁)。巻末は詳細な質問の総合。253頁に被曝の早見図があり心にとめておきたい。2013/09/07
在我壷中
0
今朝もテレビへ『被曝・除染』と【せめてチェルノブイリの基準へ】と、福島と広島原爆は違う!と声を大きく謳うのでしょう。本著の一文を『敢えて、数値を挙げるとしましょう(セシウム137のみ)放出量は。福島第一原発事故には1.5×10の16乗ベクレルで、広島原爆、8.9×10の13乗ベクレルの約169倍、チェルノブイリ事故には8.5×10の16乗ベクレル、広島の約955倍となります』と。マスコミ、コメンテータには『危険』『除染』と煽ります。詭弁!偽善!欺瞞!と断じます。科学者は知らないを前提、有識者?は知ってると2013/08/29
いちはじめ
0
数値の典拠となるソースを明確にして解説するなどしっかりしている。が、この回答で心配している人を納得させられるかというと……。同じような質問が繰り返されているあたりをみると、かなり厳しいのだろうな。2013/07/07