内容説明
本書では主に、風俗版画と文学作品を通して、ヨーロッパ近世、つまり16世紀から19世紀までの服飾の流れをたどってみた。
目次
第1章 中世の紋章と服飾
第2章 ルイ14世時代の洒落者ギャラン―モリエールの作品を中心に
第3章 版画のなかの市民服飾(16世紀ドイツを中心に―デューラー、ホルバイン、アマン;パリ市民の服飾と生活)
第4章 舞台の衣裳とモード(18世紀の舞台衣裳;ルイ王朝時代の東洋趣味;舞台の上の東洋服)
第5章 バルザック時代の服飾(『人間喜劇』にみるパリの若者;モード雑誌にみる男子服;バルザックの描く女性像と服飾;モード雑誌にみる女子服)
感想・レビュー
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paxomnibus
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図書館で借りたものは1991年の版でこれとはカバー絵が違うが、画像をクリックしてアマゾンに飛ぶと出てくるのが同じカバー絵のものなので、たぶん同じ本なのだろう。ヨーロッパ服飾史というタイトルだが後半は専らフランスのモードの話になるので、やはりファッションを勉強するにおいてフランス史は避けられないとみた。そのさらに後半はフランス宮廷に始まる舞台衣装からバルザックの小説の登場人物の描写による衣類の身分制度の違い等を読み解くものだったので仏文学の素養も必要とされるのだった。衣装の時代考証は大変な作業なのだと実感。2021/01/01