目次
第1章 概説(日本語の背景;文字の伝来;上代の特徴;言葉についての意識;方言)
第2章 文字・表記、文章文体(漢字の伝来;日本語を漢字で表す;万葉仮名;上代の文章文体)
第3章 音韻(研究方法と資料;上代特殊仮名遣い;奈良時代の日本語の母音体系;子音の音価と音節構造;奈良時代のアクセント)
第4章 語彙(語の認定;上代語の語彙量と語種 ほか)
第5章 文法(動詞;形容詞 ほか)
著者等紹介
沖森卓也[オキモリタクヤ]
1952年三重県に生まれる。現在、立教大学名誉教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
3
漢字借用による日本語表記の創出 万葉仮名という音訳表記法 渡来人が伝えた漢字と文字文化 甲乙二類の音韻区別 母音調和という古代の法則 未だ定説なき上代母音体系 未発達な撥音・促音・拗音・長音 濁音連続を避ける連濁規則 平安期と変わらぬ高低アクセント 下段活用なき動詞活用体系 未発達だった動詞・形容詞の已然形 完了助動詞「つ」「ぬ」の動詞選択性 名詞化する「ク語法」の存在 係助詞の係り結び 和歌にみる和語中心の語彙 仏教・律令由来の漢語使用 古代から存在した擬声語・擬態語 雅語・俗語・方言の使い分け意識2025/04/28
moggadeet
0
それにしても、ぼくはあまりにものを知らなすぎる。この本を読みながら、ひとりで忸怩たる思いでいた。 コンパクトだけれども上古の日本語学の現状をまとめた本。ものすごく面白い本。まず第二章をじっくり読んで、古い古い時代の日本語について研究するとき壁となる「表記」(万葉仮名といっても多様性があった)について頭に入れたうえで第三章の音韻論へ。2024/12/02