出版社内容情報
言語の研究・言語学の進展に貢献した,古代から現代までの重要な50人で読む言語学の歴史。言語の研究・言語学の進展に貢献のあった人物をプラトンやアリストテレスらの古代から,ヤーコブソン,チョムスキー,カメロンに至る現代まで50人を選び出し解説する。50人の言語学者により言語学の重要な歴史が鮮明に浮かび上がる。
1 パーニニ
近代言語学に影響甚大なサンスクリット文法の金字塔
2 プラトン
ことばは自然か慣習か
3 アリストテレス
論理的分析と分類から西洋言語研究の用語・範疇を残す
4 ウァロー
「言語普遍性」を発案、ローマ人による初の言語論考
5 聖書における言語
言語の起源や多様性の物語を読み解く
6 ドナトゥスとプリスキアヌス
中世ラテン語の『大文典』『小文典』と『文法教程』
7 シーバワイヒ
アラビア語文法の聖典『キターブ』
8 第一文法論者
現代音韻論の先駆け、正書法の一大改革
9 思弁的文法論者
普遍文法構築の萌芽
10世宗大王
独自の文字体系・ハングルの創始者
11アルノーとランスロ
デカルト派言語学の先駆『ポール・ロワイヤル文法』
12ウィルキンズ
普遍言語の創作の試み
13ロック
経験主義的哲学者による反生得主義
14ジョンソン
英国初の本格的辞書の編纂者・文豪
15コンディヤック
「ことばの起源」論争での貢献、今なお
16ヘルダー
「神による言語創造」の否定
17シュレーゲル兄弟
比較言語学の先駆
18フンボルト
多彩な影響を与えた言語学者・政治家
19グリム
童話の採集から比較言語学へ
20ボップ
比較言語研究のパイオニア・言語再建法の確立
21ミュラー
科学的方法論によるサンスクリット研究
22ブローカ
言語脳科学の嚆矢、古典的局在論
23ホイットニー
『センチュリー英語辞典』の編者、チョムスキーと対峙する
24マレー
不朽の大辞典・OEDを生む
25スウィート
音声学・我が国の英語教育へ多大な影響
26クルトネ
構造主義言語学の先駆者
27ブルークマン
青年文法学派:音変化に例外なし!
28ソシュール
近代言語学の祖,現代人文科学の礎を築く
29イェスペルセン
徹底したデータ収集、ことばへの深い洞察
30ジョーンズ
「基本母音」を体系化した“ヒギンズ教授”のモデル
31サピア
「サピア・ウォーフの仮説」
32ブルームフィールド
アメリカ構造主義言語学の第一人者
33ヴィトゲンシュタイン
言語論的転回をもたらした天才哲学者
34ファース
ロンドン学派,場面の脈絡,韻律分析
35ヴィゴツキー
児童期のことばの内在化と最近接発達領域の概念を提示
36ヤーコブソン
分別素性,失語症研究,図像性,言語類型論
37ウォーフ
言語相対説からことば・思考・文化の関係性を追究
38イェルムスレウ
共時的分析と二分法をもとに捉える言理学の考案
39オースティン
遂行文,発話行為を提唱する日常言語哲学の雄
40パイク
言語の現地調査,構造主義から独自の文法素論を展開
41グライス
「協調の原則」と「グライスの公理」で現代の語用論の基礎を築く
42グリーンバーグ
類型論,言語普遍性,欧亜語族
43ホケット
形態論・音韻論などで構造言語学へ多大な貢献
44ブラウン
言語発達過程の調査で発達心理言語学を発展
45ハリデー
社会的・テキスト的文脈を視野に入れた体系機能言語学を提唱
46ラボフ
社会階層と言語変異を解明した社会言語学の父
47チョムスキー
現代の知の巨匠,ことばから認知,進化を探る
48ヘイル
危機言語の保全に取り組むポリグロット
49マコーレー
語彙分解を導入した生成意味論創設者
50カメロン
性別二元性規範に挑戦し続けてきた男女同権主義者
中島平三[ナカジマヘイゾウ]
監修/翻訳
瀬田幸人[セタユキト]
監修/翻訳
田子内健介[タコナイケンスケ]
監修/翻訳
目次
パーニニ(紀元前4世紀または5世紀)
プラトン(紀元前428/7頃‐349/7頃)
アリストテレス(紀元前384‐322)
マルクス・テレンティウス・ウァロー(紀元前116‐27)
聖書における言語
アエリウス・ドナトゥス(4世紀)とカエサレアのプリスキアヌス(6世紀)
シーバワイヒ(没年796頃)
第一文法論者(12世紀)
思弁的文法論者(1250‐1400頃に活躍)
世宗大王(1397‐1450)〔ほか〕
著者等紹介
中島平三[ナカジマヘイゾウ]
1946年東京都に生まれる。1982年米国アリゾナ大学大学院言語学科博士課程修了。現在、学習院大学文学部・教授
瀬田幸人[セタユキト]
1953年鳥取県に生まれる。1981年東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、岡山大学大学院教育学研究科・教授
田子内健介[タコナイケンスケ]
1969年埼玉県に生まれる。1995年東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、埼玉大学教育学部・准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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