内容説明
多くのご馳走があり、おいしい料理を求める人でにぎわうヨーロッパ。ヨーロッパとはどのような特徴をもった地域なのか。一方で食は伝統を維持しながらも、時代とともに変化し発展してきた。世界と多彩なつながりを経てきたという特有の背景を踏まえ、ヨーロッパを彩るさまざまな食を思い浮かべながら、個々の食からヨーロッパという地域を見てまわろう。
目次
第1章 ヨーロッパの地域性を食卓で読み解く
第2章 自然と農業をムギと油脂で読み解く
第3章 農村の変化をジャガイモで読み解く
第4章 都市の景観を砂糖で読み解く
第5章 観光地の発展をミネラルウォーターで読み解く
第6章 工業化をビールで読み解く
第7章 多文化社会をエスニック料理で読み解く
第8章 地域の個性化をトウモロコシで読み解く
第9章 グローバル化をコーヒーで読み解く
第10章 ヨーロッパを食で読み解く
著者等紹介
加賀美雅弘[カガミマサヒロ]
1957年大阪府に生まれる。1985年筑波大学大学院地球科学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京学芸大学人文科学講座・教授。理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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お抹茶
1
ヨーロッパの食事を地理学と歴史の視点で読み解く。19世紀にフランスを中心に広まったグルメは,大量の牛乳の需要をもたらし,大都市近郊で酪農が発達した。ビールはもともと栄養食品として発展し,食料の一部だったが,19世紀には工業化と長距離輸送でドイツやチェコのビールが大量に流通。カラー写真が多く,眺めるのも楽しい。2020/06/13
めーてる
0
「食文化」という切り口から、ヨーロッパの持つ様々な地理的側面を分かりやすく解説した本。高校レベルの世界史知識があれば理解できるし興味深い、良い本だった。2022/10/22
かずさ
0
ヨーロッパといっても東西南北、国・地域によっても文化がちがうの150ページの本におさめるにはやや範囲が広すぎるのではないかと思ったが、それでも読んでて楽しめた。特にミネラルウォーターを飲む習慣が水質汚染のため富裕層がきれいな水を飲むことから始まったというが興味深かかった。参考文献もいくつか面白そうな物があったので読みたい本として追加しておいた2021/01/29
もけうに
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写真が豊富で楽しい。流石にヨーロッパの景観は素晴らしい。やや散漫とした内容だが、読み易く、幅広い視点でヨーロッパへの理解を深めることが出来る。2019/05/31