出版社内容情報
地層年代決定や古環境復元のうえで欠かすことのできない微古生物学の日本語で読める教科書
内容説明
微化石は大洋底から大陸上に至るあらゆる場所のいろいろな地層から多数産出し、それらの地層の堆積年代や当時の環境を調べるのに最適な指標として、近年ますます重要視されてきている。たとえば地球化学や気象学、地理学、考古学、堆積学など、一見微化石とは無縁のように思われる分野でも、研究手法として微化石がよく用いられるようになった。特に地球科学の目が海洋に向けられている今日、海洋底から得られる微化石の情報は、地球環境を理解し、その変遷を追跡する上できわめて重要である。またこれに応じて、最近の微古生物学の進歩はめざましく、日々膨大な資料が蓄積されている。原書第2版は、初版を構成していた主要な微化石の各論を踏襲しながら、特に最近20年間の進展がめざましい生命の起源と初期の生物に関する研究成果を大幅に取り入れ、各論に先立って微古生物学の総説と生物圏の出現を新たに50ページ追加している。各論も最新情報を加筆し、全体として初版より100ページも増えている。
目次
1 微古生物学の利用(微古生物学、進化、生命の多様性;層序学における微化石の役割 ほか)
2 生物圏の出現(生命の起源と初期の生物圏;真核生物の出現からカンブリア爆発まで ほか)
3 有機質の殻をもつ微化石(アクリタークとプラシノ藻;渦鞭毛藻とエブリア ほか)
4 無機質の殻をもつ微化石(石灰質ナノプランクトン(円石藻とディスコアスター)
有孔虫 ほか)
付録 微化石の抽出法
著者等紹介
アームストロング,ハワード・A.[アームストロング,ハワードA.][Armstrong,Howard A.]
英国Durham大学の微古生物学senior lecturer。微古生物学を研究して20年余のキャリアを持ち、応用古生物学、数量的生層序学、コノドントの古生物学、分散生物地理学などに関する著作が多い。現在は、古生代の氷河作用が環境に及ぼした影響、およびその過程の問題を中心に研究している
マーティン・D.ブレイジャー[マーティンD.ブレイジャー][Brasier,Martin D.]
英国Oxford大学の古生物学教授。1970年に調査船Fox号にて、カリブ海のサンゴ礁と藻類マットの生態を調べたのが研究者としてのスタート。初期生物圏の進化の研究で広く知られている。現在は、地球初期の微化石と生化学・化学層序などを包括し、最古の生命から多細胞生物が出現するカンブリア爆発までを多角的に考察している。バクテリアや原生生物化石の代謝と進化についての関心からNASAの初期生命確認の研究計画策定にも加わった
池谷仙之[イケヤノリユキ]
1938年東京都に生まれる。1969年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。静岡大学理学部教授を経て、静岡大学名誉教授。理学博士
鎮西清高[チンゼイキヨタカ]
1933年長野県に生まれる。1961年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。京都大学理学部教授、大阪学院大学情報学部教授を経て、京都大学名誉教授。理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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