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出版社内容情報
代り映えのない日々。変わらない食生活。そんな中、思いついた創作怪談話を書き上げ、SNSにアップする。30代も後半になり、新しい趣味といえるようなものを見つけた鬱野だが、日常に変化は訪れるのか…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
21
負の成就的予言。それは『鬱ごはん』の展開によく見られ、つまりは鬱野の人格を映してもいる。と同時に、怪談の構造にもそれは言え、結果として鬱野が創作怪談にハマっていく説得力にもなっている。しかし読み進めていくと、創作怪談には「あり得たかもしれない自分」という裏テーマが存在していることに気付かされる(本来それはゴム人間の登場で気付いていなければならない事項だった)。考察に絡め取られながらも作者と読者の共犯関係という戯れと知る鬱野の冷めた考察が自身を、あるいは世界を救っているはずが、(つづく)2025/04/26
gelatin
10
★★★★(★ なんかすごく良かった…。生きていく上で誰もが持つ漠然とした不安を、食べるという生々しい行為で描き表しているからかな。丁寧だったり無添加だったりする自分や世界に優しい食べ方をなし崩しに敬遠してリアル。夢や憧れと同じように、不安を受容しているのがいいのだ。この漫画を描くひとと話してみたいとか知り合いになりたいとか全然思わず、ただこのひとの描く漫画を読み続けたいと思う。好きな作家って、そういうことなのかも。あと、主人公の書く実話系怪談をちょっと読みたい…。2025/04/20
恋愛爆弾
9
鬱野は、あるいは作者は「自分を窮極まで客観視しているフリ」が上手い。それは端的に才能である。その才能により、社会に無限に増殖する広告的な言説にシラケながらノりながら事物同士の差異をちゃんと理解(=批評(!))して描くことによってのみ、反物語的な作品を生み出すことができないということを証明する。だから事物同士の差異の世界からはみ出すものは出てこない──本当に?あの黒猫は?初期鬱野の不安はまさしく自分がはみ出していくことへの不安だった。これから鬱野は老いていく。差異は本当にすべてを包摂してくれるのか?2025/04/20
ふりや
7
食を題材にした作品でありながら、その実は主人公・鬱野の人生を描いた哲学的とすら言える漫画。まるで文豪の重厚な小説を読んだ後のようなカタルシス。ラストに久し振りにイマジナリーフレンドが登場した時には鳥肌が立ちましたね。2025/04/25
オジャオジャ
4
過去イチで何だかんだ人生楽しそうにしてる鬱野が微笑ましい。カレーパントースト3度焼きとか創作怪談がバズって怪談創作が趣味になったりとか舟月(アポロ)とかメレンゲ作りに夢中になってる感じとか。後ろ向きな思考は変わらずだがやたらめったら世の中に絶望せずに自然に前向きに生きようとしてる感じはやはり加齢の影響だろうか。世の中にやたらめったら絶望出来るのも若者の特権だからね。2025/04/19
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