感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
99
傑作短編集。手塚治虫は長編だけでなく、短編も巧いことがよく分かる。軍隊の愚劣さを描いた「墜落機」は打ちのめされるプロットだ。戦闘に巻き込まれたパイロットが、九死に一生を得たのに上官から死ねと命じられる。美化された彼の死が台無しにされるからだ。架空の話と作者は断っているが、この物語が何を指し示しているか読者はすぐに分かるだろう。結末は本当に悲しい。戦争に対する手塚治虫の憤りが感じられる物語だと思う。2018/05/17
活字の旅遊人
40
第一巻にも増して読み甲斐のある短編集。思っていたよりもオクチン主人公の話が少なかった。どれも面白いが、「墜落機」「クレーターの男」「海の姉弟」が特に好みかな。「墜落機」の結末は涙。「生けにえ」は、『テスカトリポカ』読後だとさらに面白いな。メキシコだが、アステカではなくマヤと書いてあり、心臓ではなく首切りだが。あとは「八角形の館」の深みが流石。2021/10/31
AICHAN
28
再読。「二つのドラマ」「溶けた男」「オクチンの奇怪な体験」「雪野郎」「巴の面」「大あたりの季節」「三人の侵略者」「クレーターの男」を収録。シリアスなもの、恐ろしいもの、奇妙なもの、ゾッさするもの、不思議なもの、疑心暗鬼にかられるものと多彩。私は「三人の侵略者」が一番好きだ。2023/09/05
AICHAN
27
メルカリ本。再読。もう一度書く。へたな小説より断然面白い。『火の鳥』を別格として、この上下2巻は手塚治虫の最高傑作ではないか。2021/05/07
AICHAN
23
再読。何度読んでも、「紫のベムたち」が特に秀逸だなあと思う。2021/10/31