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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
富士さん
3
1990年ごろの釜ヶ崎の日雇い労働者を主人公にした連載マンガの単行本。日雇いに集まる多様な人たちや文化、それを支える公私の制度、アメリカとの比較まで、傲慢な説教や偽善的な慈善に無縁な筆致で魅力的に描かれています。政治難民マルクス氏の登場は楽しいのですが、もうちょっとノンフィクション感のある描き方にしてくれると、資料としてもよかったのにと思います。しかし、本書ないでくり返し示唆されているように、釜ヶ崎にある理不尽と自由は、可能性として日本社会を豊饒なものにしてきたことを無視することは許されないでしょう。 2019/06/20