出版社内容情報
ガーナのとある村では、子どもたちはゴミ集めをしてお金をもらう。その金額、1日働いて日本円で約20円。ある日、その村に画家が訪れ、「絵描きになりたければ20円で画用紙を買いなさい」という。それを聞いた3人の子どもがとった、それぞれの行動とは…? お金の価値は人によって違う。それでも「自分がやりたいこと」をつきつめる大切さを伝え、経済と夢と情熱について描いた、美術家・長坂真護の初めての絵本。
内容説明
ガーナのある村で、子どもがゴミ集めをしてお金をもらう。1日働いて、日本円で約20円。絵描きになりたい3人の子どもたちは、そのお金をそれぞれどう使ったか。「経済」と「夢」と「情熱」の、さらに先にあるものを見てみたい!
著者等紹介
長坂真護[ナガサカマゴ]
1984年生まれ。路上画家として世界各国へ旅をするなか、2017年6月に訪れたガーナで、先進国が捨てた電子機器を燃やすことで生計を立てる人々と出会う。「我々の豊かな生活は、こうした犠牲のもとに成り立っている」という真実を世界へ伝えたいと決意し、現地の廃材を取りいれた美術作品の制作をはじめる。その売り上げで1000個以上のガスマスクをガーナに届け、現在はリサイクル工場の設立のほか教育や農業にも力を注ぎ、持続可能な経済活動を目標とした事業を展開する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
51
未来につながることに時間とお金を投資しよう、というメッセージは好きですが、画用紙を選ばなかった子たちの人生が悪いわけでもないと思うんです。子供が子供でいられて、その日をフルに楽しむことが素晴らしい。創造が金銭的、政治的成功につながるのが本当にめざすべきことなのかなあ…とちょっと胸が痛くなりました。2022/12/03
aiaimo`olelo
27
ゴミで溢れたガーナのとあるスラムに住む子ども達。先進国が捨てた廃棄物を集めるお手伝いをすると一日で約20円のお金がもらえる。そのお金で大きくておいしいキャンディーが1つ買える。そこに現れた絵描き。約20円で画用紙が買え、絵も教えてもらえる。さあ、子ども達はどうする? 人生が大きく変わっていくのはこうしたほんの些細なきっかけ。1つの水滴が水面に落ちた波紋で終わるか。大きなウェーブになっていくか。 チャンスの使い方というものを描いた絵本なのだろうけど、運の怖さも伝わってくる。子に読み与えたいかというと迷う。2022/11/27
くるぶしふくらはぎ
21
ガーナの子供たちに、お父さんの手伝いを1日して払われる給金が20円。そこを訪れた絵描きが、1枚20円の画用紙を買わないか、そこに絵を描かないか、と持ちかける。迷う子供たち。さあ、どうする? 日本昔ばなしに「わらしべ長者」があるが、それとは本質は違うんですよね。お金の増やし方、文化・文明の本質、物質主義か精神を重んじるか…。読後、「ああ、よかったね」では終わらないモヤモヤとした憤りすら覚える。怒りの源は、この絵本批判ではなく、もっと大きなものに対してなのか、自分自身に対してなのか、咀嚼が必要です。2022/11/27
ころちくわ
19
長坂真護さんの初めての絵本。路上画家として訪れたガーナで、先進国が捨てた電子機器ゴミを燃やして生計を立てる人々と出会い、リサイクル工場を設立したそうだ。子供がゴミ集めをして、1日20円。それであめ玉を買うか、画用紙を買うか?先進国の傲慢さを実感した。2024/07/06
しぃ
19
そもそもそんなに貧しい街で子どもの絵がそんなにバンバン高額で売れるのか?という疑問に囚われた。実際にモデルがあったと書いてあって驚き。生活の糧をどう学ぶのかは大切なことだけど、子どもが絵を描くという行為が遊びではなくなってしまうことはモヤる。子どもが子どもらしく居られる世界はものすごく狭いのかもしれない。2023/08/02
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