出版社内容情報
中学一年生の初奈は、周囲に嫌われないようにネコをかぶって過ごしている。窮屈さを感じていたある日、『ことだまメイト』に書かれていた「12音で同じ願い事を書くと入れ替わる」という方法を試してみと、柚菜という別の中学生の女の子に入れ替わってしまい、入れ替わりの謎を解くうちに思わぬ秘密をしることに……。「本」にこめられた思いを中心にしながら、「言葉」にまつわる願いや思いを瑞々しくポジティブにつづった、傑作青春物語。
内容説明
中学一年生の初奈は、まわりに嫌われないように猫をかぶって過ごしている。きゅうくつさを感じていたある日、『ことだまメイト』に入れ替わりの方法が書かれていて…。「言葉」にこめられた願いや思いを瑞々しくつづった成長物語。
著者等紹介
こまつあやこ[コマツアヤコ]
東京都出身。学校や公共図書館の司書として勤務。2017年『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』で講談社児童文学新人賞受賞。『ハジメテヒラク』(講談社)で日本児童文学者協会新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
82
児童書。YA。朝読、ブックトーク▽小学校の卒業式で友達と喧嘩別れした初奈(はつな)は、傷つきたくなくて猫かぶりで中学を過ごしていた。ところが愛読していた本の「おまじない」は現実になり、朝読の時間の10分間だけ、同じ願いを持っていた柚奈(ゆずな)と入れ替わってしまう。本に各された秘密とは▽キラキラ表紙に厨二病設定だなぁと読み始めたのですが、仕組みがわかったらナルホドとなりました。紹介された本が架空本でなく実際の本で安心しました。10分間のミニBTできたら楽しいよね。2024.6刊2024/10/30
chiaki
31
友人から仲間外れにされた理由を知って以来、好きなものを堂々と話すことに臆病になっている中学生の初奈。猫をかぶる日々から抜け出したいと、想いを12音の言葉に込めると、他校の生徒柚菜との入れ替わりが起きて…!ブックトークに魅了されるが、好きなものを語る怖さから「推しを押す」と相手が引くのではと悩む。柚菜がぶちこんだ爆弾のおかげで、誰かに何かを薦める=相手のことを考えるということに気付かされる。そんな初奈の心の成長が眩しかった。うまく行き過ぎな気もするけど、入れ替わりの謎に迫る展開が面白い。2024/08/09
まる子
26
小学生の時、自分の好きなモノを「推し」たつもりだった。けれど周りから見ると「押し」であり、さらにそれが強すぎた経験で友だちと上手くいかなくなった初奈。だから中学生になりネコをかぶって学校生活を始める。『ことだまメイト』の本に出会い、ある数分だけ不思議な事が起こり始めた。それがきっかけで柚菜と親しくなるも…『ことだまメイト』の著者の「井馬ここ」の秘密を知る。タイトルの「12音」「ブックトーク」もしっかり出てきますが、個人的に今作のこまつあやこさん、これまでと違い惹かれる内容ではなかったのが残念💧2024/06/28
joyjoy
9
言葉のひと、こまつあやこさん。今回はブックトーク、そして言霊。どちらも興味のあるテーマで、ブックトークの場面では実在の本も紹介されていて、楽しく読んだ。ことだまメイトの二人をつなぐきっかけになった「見習い物語」、わが本棚にもある!と嬉しくなる。また読んでみようかな。 巻末に参考文献も。言霊についての参考文献もあると嬉しかったかも。先日の、九九が書かれた木簡発見のニュースから、9/8の天声人語で万葉仮名について触れられていたのを面白く読んだばかり。文字に書く、声に出す、言霊の力について、もう少し知りたいな。2024/09/08
vodka
7
テンポ感のある文体は健在、人間関係でモヤモヤとしがちな中学生にドンピシャなのでは。読書会ではなく、ブックトーク。これを読んでわたしがしたいのはブックトークなのかもしれないなぁと思うなど。2024/08/11