内容説明
“竜の木”の下で、桂は不思議な少年と出あう。優等生の麻琴にそっくりな顔で、不敵にほほえむ少年。すべての関係を適度にやりすごしてきたはずの、桂の日々が、変わりはじめた…。
著者等紹介
濱野京子[ハマノキョウコ]
熊本県に生まれ、東京に育つ。『フュージョン』(講談社)で第2回JBBY賞を、『トーキョー・クロスロード』(ポプラ社)で第25回坪田譲治文学賞を受賞
丹地陽子[タンジヨウコ]
三重県に生まれる。東京芸術大学美術学部卒業。書籍の装画や雑誌の挿画を中心に活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
純子
28
真琴とマコト。全く違うタイプの2人が1人の中に同居する。どうしてそうなったのか、どっちの言うことが本心なのか。そんな不思議な真琴だから、友だちなんか必要ないと思う桂の心を揺さぶることができたのだろう。自分になんか関心はないんだろうと思っていた母親が、自分を信じてくれていたのだと知る桂。父親だって自分のことを心配してくれていた。そんな当たり前のことに、ちゃんと気づくにはあまりにもお互いの言葉が不足していたのだろう。料理好きお兄ちゃんの存在は、家族みんなをうまく繋いでくれててよかった。外国に行っちゃうけど。2017/11/18
のり
18
濱野さんのお話は割と家庭環境が複雑な事が多いと思った。マコトと麻琴、周りに流されて気持ちを押し込めていた故に心が悲鳴をあげて作り上げた人格。過保護は過保護なりに、放任主義は放任なりに親の愛情のカタチ。それに気づく事ができて良かったと思う。成長物語だから、やっぱり子ども達にも読んでもらいたい、かな。2015/08/20
びすけっと
12
2010年10月刊。お気に入りさんつながり。転入先で出会ったもの静かな優等生の真琴と竜の木の下で出会ったマコトとは同じ人物?それとも別人? 不可思議な出会いが希望と生き方を変化させていきます。親の希望に絡まれた生き方からの解放は大人への一歩。この本に触れ「自分はどう生きるか」を考える助けになるといいなと思います。2015/09/08
シュウ
10
多感な時期の少女たち。ままならないこともある中で、自分なりにバランスをとって乗り越えていこうとしていく時期。苦しみ悩んで、成長していく。2015/03/24
しーまま
8
濱野京子さんがお気に入り作家になりつつあります。2014/03/01