出版社内容情報
病に倒れ、仲間に置き去りにされた少年が、旅をする老人と出会い、多くの教えを受けながら、新しい仲間とともに暮らすようになる。ティゲルという猛獣を倒したことから、「ティゲルファル」と呼ばれるようになった少年は、やがて自分が特別な力を持っていることに気づく。その「力」は新たな村の仲間を動かすことになり、自分たちの生存をおびやかす、ある「敵」と戦うことになるのだが、その正体は……。数奇な出会いと冒険物語。
内容説明
少年がめざめたとき、あたりには誰もいなかった。病気になって生死をさまようあいだに、村のなかまに置いていかれたのだ。少年は、まだ知らなかった。自分が大きな力を手にしたことを。そして人類の歴史がはじまることを…。
著者等紹介
斉藤洋[サイトウヒロシ]
1952年、東京都生まれ。中央大学大学院文学研究科修了。1986年、『ルドルフとイッパイアッテナ』で講談社児童文学新人賞受賞、同作でデビュー。1988年、『ルドルフともだちひとりだち』で野間児童文芸新人賞受賞。1991年、路傍の石幼少年文学賞受賞。2013年、『ルドルフとスノーホワイト』で野間児童文芸賞受賞
中川悠京[ナカガワユウケイ]
1972年、新潟県生まれ。東京デザイナー学院アニメーション科卒。データイースト、チュンソフト(当時)に勤務後独立。書籍装画、漫画、ゲームグラフィック、音楽PVの分野で活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ときわ
12
図書館から来た本には帯がついていない。なので帯になんて書いてあったか知らずに読み始めた。これを登録しようとして初めて帯の言葉を知った。実は最初この舞台は縄文時代かな?なんて思っていたのだ。でも読み進めていくうち、これはもっともっと前ピーター・ディッキンソンの「血族の物語」の時代だ!と思いついた。じゃあ、じゃあその先は?物語はいきなりブチ切れている。続きは書かれるの?書かれなくてもその先を私たちは知っている。苦しくなった。2023/01/10
遠い日
6
原初の人間の生きざま。ことばを使う人間の心とことばが乖離していくようすに、発達とか進化ということの意味を思った。狩猟を生業とする者、魚を捕る者、小さな集落を作り集団の秩序を守る。体調の異変で仲間に置き去りにされた少年ティゲルファルの着実な学びと成長が頼もしかった。考え、覚え、逞しくなっていく。周囲の大人との信頼関係も良好。そこに出現したザーズの狼藉。殺戮と搾取の暴力に立ち向かうティゲルファルたち。協力と団結の精神の芽生えだ。生き抜け!早く続編が読みたいです!2022/12/27
You
2
人類の黎明期の物語!と聞いて「大地の子エイラ」な壮大さを期待、しかも斉藤洋!これは読まねば!と読み始めたはいいが…うーん…、斉藤作品にしてはなんだか要領を得ないまま終わったような。続編があるのかもしれないが、続きも読まなくちゃ!って気分になれなかった。なんか、聖書の文法を読んでるみたいな。「神は光あれと言われた。光が現れ、闇が現れた。光と闇が昼と夜との半分を互いに追いかけ、神はこれを良しとされた。」みたいな…。いや全然違うんだけど…。確かにアドベンチャブル(?)だけど文面がワクワクさせてこないというか…。2023/03/14
安部農丸
1
児童文学の大御所が追放物やチート技術物を表現するとしたらこうなるって感じの作品かな2022/12/12