出版社内容情報
若い高校教師エルンストは、ある日、ドローセルマイアーという旅の人形使いに出会い、その人形劇の魅力にとりつかれてしまう。
小学校高学年以上向き
内容説明
若き高校教師エルンストは、ある日、人形師のドローセルマイアーと出会う。ひとたび彼の人形劇を目にしたエルンストは、その魅力にとりつかれ、不思議な世界に…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
64
偶然出会った人形劇に魅入られ、高校教師の職を投げうったエルンスト。ドローセルマイアーの弟子となり、少しずつ人形を操ることもできるようになる。けれど、その先には人形師としての「壁」が…。ドイツを舞台とした静かなファンタジー。ドローセルマイアーの素晴らしい技の秘密は?ねこ耳人形の正体は?数学教師という現実的な思考の持ち主が、幻想的な世界に囚われていく対比が良い。2015/08/18
mntmt
22
引き込まれるおもしろさ。ゾクっとした。2016/06/28
辛口カレーうどん
19
何か面白い事ないかなー、が口癖の人って多いのではないかな。自分で行動して見つけないと、向こうから楽しいことはやってこないとわかっていても…。年取るにつれ、なかなか行動に移す勇気がなかったりする。新しい世界に向かう列車に、飛び乗る勇気を持ったエルンストはすごい。2015/12/13
寧々子
18
ドローセルマイアーと名乗る老人が操る人形劇に夢中になったエルンスト。 ドロセールマイヤーの意味深な物言いや、猫耳の人間の姿の人形に見覚えがあるのに思い出せなかったりと、何やら秘密が隠されていそうな気配に好奇心をそそられたこともあり、ゆっくり読もうと思ったのに、あっという間に読んでしまいました。 児童書ですが大人の胸に響きますね。 著者のあとがきを読むとより一層、というか耳が痛い~ 果たして私は聞き逃したのか、聞かなかったふりをしたのか、それともまだ運命のノックはされていないのか・・・ 2017/10/06
遠い日
18
『オイレ夫人の深夜画廊』の前に。不思議な人形使い、ドローセルマイアーの秘密めいたことばや言動が、少しずつ深まり、明らかになっていくさまはミステリーのよう。偶然が必然になっていく。人形劇に魅せられ、その魅力をそのままに受け入れていく青年エルンスト。「好きな場所で迷っていたほうがいい」、エルンストのことばがわたしに力を与えてくれる。2016/07/30