感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rana
4
NHKラジオ土曜朝8時、ラジオ文芸館の東海北陸文学紀行の収録で、西坂太志アナウンサーがこの本の一部を朗読された。薩摩義士による宝暦治水は知っていたが、こんなにも多くの犠牲者が出ていたとは・・・・・子ども向けの挿絵があり、1985年3月23刷と古い。関ヶ原から海津を通る「薩摩カイコウズ街道」、カイコウズ(海紅豆)とはアメリカデイゴのこと。鹿児島から贈られた苗木が街路樹になっている。そういえば開花しているときに通ったことないな。20日に放送済み。2016/02/28
はこぶね
1
子どもの頃に学校で輪中に行ったことあったような気がするけどこれほど大変な過去があったとは。単に大変な水防工事を成し遂げた、なんてシンプルな話じゃなかった。薩摩を弱らせようという国側の思惑はおとなになった今だからよく分かる。よくはないけど。それにしても自分たちの住む場所のためなのに、目先の金に百姓たちの目がくらんでいるのが…。水害後で作物も十分に取れず生きるか死ぬかの状況だったとはいえ、切腹者や病に倒れる武士がたくさんいる中あえてゆっくり作業にとりかかっていて、貧しさは人をそうさせるのか…。2025/05/08
ハル
1
木曽、長良、伊尾の三つの川が、一つになって伊勢湾にそそぐところに、千本松原という美しい松原があります。 これは、この松原にまつわるいまから二百余年前の、勇ましく、またかなしいお話です。 浜島紋右衛門の切腹、弥平じいと与吉の最期……命懸け大工事に胸を打たれる。 いつか訪ねてみたい。2016/09/11
ようこ
0
子どもの頃父に薦められて手に取るが読み進めることができなかった物語。宝暦治水を百姓の視点で見た物語で、最後が悲しすぎる。幕府、武士の関ヶ原からの因縁のような嫌がらせ、代官、庄屋の儲け根性、百姓のさぼりなど、他の小説で知っていたが、この話では薩摩武士は百姓を思い、弥平じい、与吉らの百姓は薩摩武士に感謝していて、あたたかい気持ちになれた。2025/01/16