出版社内容情報
生きるって、すばらしいんだよ。その思いを、どんなときも心にもち続けた作家、椋鳩十。戦争が激しさを増し、若者は兵隊さんになり、作家も、戦争に協力するようなものしか書くことが許されなくなってしまった時代。椋は、親子の愛情や命の大切さを、動物の生きる姿に思いをたくして、物語を書き続けました。戦後は、図書館長にもなります。本を通して、親子の愛情を深め、生きる力にしていきたい。それが椋の願いでした。
内容説明
生きるって、すばらしいんだよ。いつもその思いを心にもち続けた、椋鳩十。どんな人に出会い、何を感じて、人生を歩んでいったのでしょう。
目次
1 ハイジの夕やけ
2 またたく星の群れ
3 恋と夢と、希望に満ちた大学生
4 作家・椋鳩十の誕生
5 忍びよる暗い足音
6 戦禍の中、祈りをこめて
7 心に炎を灯す図書館をめざして
8 丹念な取材を元にして
9 忘れられない動物の物語
10 きらきらした命の火を燃やし続けて
著者等紹介
久保田里花[クボタリカ]
鹿児島市生まれ。京都女子大学文学部国文学科卒業。梅花女子大学院児童文学部修了。椋鳩十の孫。現在も椋と暮らした鹿児島市の家に住んでいる。かごしま近代文学館・メルヘン館で勤務した経験がある。現在は、ロシアとの文化交流など、椋鳩十顕彰活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
61
知っているようで知らない椋鳩十さんのこと。子どもの頃のエピソードやペンネームの由来、児童文学に対する想い…。どれも非常に興味深いものばかり。戦時中には誰もが死ぬことを美徳とする中で、生きることの素晴らしさを訴え続けたという椋さんの姿に胸が熱くなる。児童書ということもあり、やや駆け足気味なのが残念。もっとじっくり描いて欲しかった箇所が多々ありました。作者は椋さんのお孫さん。椋さんに対する愛情に溢れていますね。2021/06/26
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
20
児童文学作家椋鳩十さんの伝記。本名は久保田彦穂さん。私の住む地域の小学校の国語の教科書には『大造じいさんとガン』が掲載されています。作家であり、鹿児島の県立図書館の館長であり、なにより親子読書運動を手がけた方。作品はどれも自然・動物を通して親子愛や命の尊さを伝えるものばかりです。唯一ヘビだけは子どもの頃から苦手だったそうですが。亡くなる前日に最後に残された詩です『日本の村々の人たちが 小さい 小さいよろこびを おっかけて生きている ああ美しい 夕方の 家々に 窓の灯りのようだ』2020/01/13
たんぽこ
8
児童文学作家として、また県立図書館長として大きな足跡を残した椋鳩十の伝記。著者は、椋鳩十の孫、久保田里花氏。「マヤの一生」のモデルとなった次男のお嬢さんなんですね。ハイジを読んで、毎日眺めていた日本アルプスの夕焼けの美しさに気づいたという話と、新婚時代に、慣れない土地で気を張る奥さんに、「みとさん、月見草の開く音を聞きに行こう。」と誘ったという話は、とても印象に残りました。家族で大切に語り継がれているエピソードの数々を知ることができて良かったです。2019/08/15
ララ
6
「大造じいさんとガン」学習中の5年生にブックトークをするため。戦時中の統制下で、生きる素晴らしさ、尊さを動物に託して描いた、というのが印象に残った。図書館長として、読書推進に力を注いだ一面も紹介したい。2022/02/13
はなびや
5
先に巻末から読んだ。巻末の親交のあった人々の中に豊島与志男を発見してびっくりした。豊島与志男は『レ・ミゼラブル』の翻訳家であり小説や童話も書いている。法政大学時代の恩師で、本文の中にも何度か登場していた。椋鳩十は、児童文学家としてだけではなく、読書運動家としても有名だった。2021/11/19
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