内容説明
親友とミニバスの試合の話をしながら、けやき並木を歩く。そんな毎日が、ある日突然変わってしまうなんて―。兄が警察につかまったことをきっかけに、麻也の生活は一変する。バラバラの家族、親友との亀裂、ミニバスへの想いに引き裂かれる麻也。傷つき、なやみながらも、麻也が最後につかんだものは…!?家族って、兄妹って、友だちって―。揺れ動く麻也の心の軌跡。
著者等紹介
泉啓子[イズミケイコ]
東京都に生まれる。『風の音を聞かせてよ』(岩崎書店)でデビュー
丹地陽子[タンジヨウコ]
三重県に生まれる。東京芸術大学美術学部卒。書籍の装画や雑誌の挿画を中心に活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミーコ
50
児童書なんだけど お話は重かったです。小6の麻也の お兄ちゃんが警察に捕まった事から家族がバラバラに・・・ 威圧的で息子の言葉を聞く耳をもたないお父さん 世間体を気にしてばかりで子供の気持ちを全く分かろとしないお母さん・・・ お兄ちゃんが歪んで行くのも分かる気がします。「おれの気持ちを少しでも考えてくれたら・・・そんな親だったら嘘なんかつかずに、なんでも本当の事が言えたかも知れない」お兄ちゃんの言葉にズキッとさせられました。お兄ちゃんも自分の夢を見つけ 麻也も又 乗り越えて行ける 頑張れと応援したくなった2016/08/08
つきみや
20
青色の表紙ととタイトルで爽やかな話かなって思って手に取ったら、結構重い話だった…… 警察にお兄ちゃんが捕まって、そこから家族が、友だち関係がおかしくなっていく…… 志乃ちゃんがいい子でよかった。 深雪ちゃんに対する気持ち、めっちゃわかる。 ほんとに死ぬほどわかる。 自分より幸せな家族をもつ友達にこんなこと言っても……っていうやつ。 ほんとわかる。 麻也ちゃんみたいな親やだ。2020/10/09
びすけっと
11
2006年10月刊。お気に入りさんつながり。兄が補導されたことを口外できず、大好きなバスケットにも身が入らずに、友だちとも父母ともぎくしゃくする主人公・麻也。世間体に阻まれた形になってしまった麻也。このように家族の崩壊が起きることってあるのだろうな。幼なじみにも、バスケット仲間にも、そして近づきがたかったクラスメイトに助けられ、再起動できた麻也だけれど、思いの丈を打ち明けることがどんなに大切なことか。意外なところにきちんと聞いてくれる友がいる、そのような元気勇気を与えてくれる一冊です。2015/01/22
頼ちゃん
8
題名に夏がつく本4冊目。重いテーマだが、実際にありそうで、子供たちは身近な内容としてとらえるのではないだろうか。両親の態度は親の立場として反省にもなった。2017/07/07
ちかぼ
5
児童文学なんだろうけど、私は入り込んで読んだ。 自分も子供の頃、兄の家庭内暴力や非行などの経験があるので、 その頃を思い出して涙が流れた。 問題を起こす子供はもちろんだが、その周囲にも傷ついている子供がいるということ。 気付いてくれる人が増えて欲しい。 友達の大切さにも気付かせてくれる一冊。2013/06/04