出版社内容情報
中学生のあかりは、祖母の家で「二ツ蝶」の家紋に出会い、自分のルーツに興味を抱く。残っていた資料を調べたあかりは、滋賀の高宮神社、兵庫の生石神社、京都の下御霊神社を訪ね、その場でスケッチをしながら先祖に思いをはせると……。戦国時代の徳川家康と少女、古墳時代の石工職人と巫女、幕末から明治にかけての坂本龍馬と菓子屋の孫娘と、時空を超えた先祖たちの三つの物語を、子孫である主人公のあかりがつなげていく。
横山充男[ヨコヤマミツオ]
著・文・その他
カタヒラシュンシ[カタヒラシュンシ]
イラスト
内容説明
家紋の「二つ蝶」に出会った少女が、滋賀、兵庫、京都と、神社を訪ねて自らのルーツを探る。そして、戦国時代の徳川家康と山の少女、古墳時代の若き石工と見習い巫女、幕末の坂本龍馬と菓子屋の娘の、三つの物語をつなげていく。「二つ蝶」の家紋がひも解く、時代を超えた運命の物語!!
著者等紹介
横山充男[ヨコヤマミツオ]
1953年、高知県に生まれる。『少年の海』で児童文芸新人賞、『光っちょるぜよ!ぼくら』で日本児童文芸家協会賞(ともに文研出版)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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バニラ風味
18
母親が出張になり、祖母の家に行くことになった、あかり。そこで、自分の家の家紋である、二つ蝶に興味を持ちました。平家の流れを汲む蝶の家紋と、祖先が京都にいたことを調べたい気持ちを抱いて、写真に写っていた甲賀市の神社へスケッチに。そこで、不思議な幻を見ます。読んでいるうちに、今が現在なのか過去なのか、こちらも幻に取り込まれたような気が。何度生まれ変わっても、縁がある人に気づくのって、うらやましい。2018/08/16
ときわ
9
すごく良かったのに、もどかしい気持ちで満足感の無い読後。あかりという女の子が見る幻が3つ、時代は古代、戦国、幕末と飛び飛び。このつながりがぼやっとし過ぎて、間にあかりが登場すると、本当は緩やかにつながるのだろうが、突然現実に引き戻されてしまう感じだった。いっそあかり抜きでの短編集にして欲しかったな。つながりを持たせたいなら、どの編にも蝶が登場するとかぐらいで。ひとつずつの話が良かっただけに残念。2020/08/11
鳩羽
6
中学生のあかりは夏休みに滞在することになった祖母の家で、先祖のアルバム、そして写真の裏に書かれた不思議な言葉に引き寄せられる。その言葉が指し示していると思われる場所を訪れスケッチしたあかりは、不思議な過去を幻視する。戦国時代、大和政権時代、江戸末期、などのあかりが幻視するエピソードが面白い。それに対して、あかりが浮かれた反応をしないので落ち着いた話になっている。全体的に分かりにくいというか、運命的なロマンスの話にも振り切れず、結局なんだったのという気持ちになった。2018/07/30
バジルの葉っぱ
4
児童かYAか、と悩んだのでよんでみた。入れ子になって挿入されている歴史物語が歴史を勉強したことのある年齢じゃないと少しむずかしそう。それと輪廻転生が理解できないとこの物語の意味がわからないのではともおもった。作者の後書きの「なぜ生きるか」、「どう生きるか」。「なぜ生きるか」にある、この世の生を得た肉体で担う使命のようなものを意識して生きることをメッセージとしてこの物語を通じて受け取れるのはやはり中学生以上かしら・・・。 私自身の読後感は、とてもよかった。好きなタイプの物語でした。2018/10/04
郷里
4
家紋のデザインがこんなヒストリカル・ロマンに繋がるとはなあ。神道、日本史、時を超えて巡り会う男女の魂。家族のルーツを紐解く少女の視線が大河ファンタジー的に広がっていく。面白かった。才谷梅太郎の登場は作者の趣味でしょうな。私はセツと家康の束の間の交流が好き。2018/08/06