出版社内容情報
うちの「おひめさま」は、わたしじゃなかったの?! 坂の上にたつ、大きな出窓のある家で暮らすエステラ。おかあさんは、毎日おいしいごはんをつくってくれ、おとうさんはお仕事からかえってくると、たくさんあそんでくれます。でも、ある日「いいこで まっていてね」と言い残して、おかあさんがでかけてしまいます。ひとり残されたエステラは不安でいっぱいになりますが……。ユニークな視点で、家族の愛情を描いた物語。
内容説明
さかのうえにたついえでしあわせにくらしていたエステラ。あるひ、おかあさんがでかけたきりゆうがたになってもよるになってもかえってこなくて…。
著者等紹介
いとうみく[イトウミク]
神奈川県に生まれる。『糸子の体重計』(童心社)で日本児童文学者協会新人賞、『朔と新』(講談社)で野間児童文芸賞、『あしたの幸福』(理論社)で河合隼雄物語賞を受賞。全国児童文学同人誌連絡会「季節風」同人
よしむらめぐ[ヨシムラメグ]
大阪府に生まれる。『まめざらちゃん』(あさのますみ・文 白泉社)で第7回MOE創作絵本グランプリを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
73
児童書。「おひめさま」な子猫のお話▽猫のエステラは、坂の上に建つ家で、お父さんお母さんと幸せに暮らしている。可愛いね大好きだよと甘えさせてもらい最高に幸せ。ところがある冬の終わりに、お母さんが帰って来ない日があった。待ちわびて、やっと帰ってきたお母さんは「新しいおひめさま」を連れてきた。面白くないエステラは家を飛び出す▽妹や弟ができて寂しかったりモヤモヤしちゃう気持ちかな。猫は可愛いけれど、少しワガママに見えて素直に読めませんでした。2024.4刊2025/03/27
ぶんこ
36
お姫様と言われていたエステラ。しかし、ある日もう一人のお姫様がやってくる。嫉妬からお母さんの手に爪痕を残してしまい家出。ご夫婦は必死に探します。庭に赤ちゃんを置いたまま玄関へ行ってしまった母。赤ちゃんはお人形を落としてしまい、取ろうとして転びかけます。思わず下敷きになって助けるエステラ。偉い👏赤ちゃんがくる前まで出窓が定位置だったのに、見えなくなって心配する人々。「男の子が窓にいる猫を見ては笑顔で手を振るが、ある日から猫がいない。しょんぼり。そして猫が仔猫を従えて現れた!」大好きなCMを思い出しました。2025/02/27
gerBera.m
9
とても可愛い人形のようなねこエステラ、!子どもがいない夫婦に飼われていました。姫のようにとてもとても大切に育てられていました。ある日おかあさんが赤ちゃんを産んで帰ってきたら、嫉妬してしまって、、、。兄弟アルアルを考えさせられました。嫌いじゃないのに素直になれない。可愛がられている方が羨ましい。何はともあれ帰ってきてよかった!2025/01/09
遠い日
4
お父さんとお母さんの愛情を独り占めしていた猫のエステラ。ある日、お母さんが帰ってこなかったことで不安を抱きます。待ち続けて、やっと帰ってきたお母さんは腕に小さな小さな子を抱いていました。訳もわからず、反発心を募らせていくエステラ。孤独と不満が膨らんで、心はぐちゃぐちゃ。この葛藤が切なかったです。小さな子への嫉妬に燃えるエステラでしたが、その存在をどこかで認めてもいたのでしょう。ラストのお姉さんぶりはちょっと胸が熱くなりました。よしむらめぐさんの挿絵のキュートさと緊迫感がすばらしかったです。2024/09/23
芦屋和音
2
坂の上の家に住む猫のエステラは、表紙の通りとっても可愛い𓃠人間のお父さんとお母さんにお姫様のように大切にされていた。ところがお母さんが何日かいなくなって戻ってくると……。おねえちゃんってシリーズの著者ならではの「上の子」に寄り添った感情は猫も同じ。エステラがとにかく可愛いので眺めているだけで癒されます(中にたくさん挿し絵があるよ)💗2024/10/04