内容説明
外来の文化・技術としての影響の強かった弥生時代の「鉄」から古代社会の「鉄文化」日本化への道のりを、中国・朝鮮半島の発掘研究や日本における製鉄技術の地域差をも視野に収めて眺望する。
目次
1章 鉄の故郷―大陸の鉄と社会(中国における鉄器の普及;朝鮮半島における鉄器の普及 ほか)
2章 倭人と鉄との邂逅―弥生時代(九州における鉄器普及の原形;倭人社会への鉄器の浸透とその評価 ほか)
3章 民衆の鉄、王の鉄―古墳時代(前方後円墳の成立期の鉄と社会;鉄器普及の大きな画期―古墳時代中期 ほか)
4章 国家と鉄の多様な関係―古代(古代における国家的政策・事業と鉄;製鉄炉の特徴と分布の意味するもの ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
rbyawa
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f177、鉄の歴史の本は今まで遺跡メインと鉄そのものから研究された本を読んでいるのですが、これはどうも両者を扱ってはいるものの文献メインじゃないのかな? 正直古い時代には産業の記録がないのでどうにもぼやけた内容になりがちで…というより、鋳物師を研究が存在してるというレベルで触れてる段階でなぁ(製鉄は鋳物師の領分らしいんですが鍛冶に吸収されて語られてる形式)(律令制の頃の管轄も別ですねこれ)。価値があったと思えたのは庸調鉄の割り当てられた国や鉄の塊がほんの一時期報酬として成り立っていたという話の辺りかなぁ。2015/07/21
おらひらお
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1998年初版。刊行当時に読んだものを再読。10年以上前の本であるが、内容的には今でも通じるもの。広い視野で通史的に眺望できるところがすごい。2011/08/29