内容説明
「能力」原理と「競争」原理にもとづいて“豊かさ”を演出する“企業社会”の呪縛を乗り越える思想的オルタナティブを提示。人間存在のあり方を根源的に問う書き下ろし。
目次
第1部 “企業社会”の陰影―長時間労働の根源はなにか
第2部 長時間労働と生活時間の構造の変容―時間から人間疎外をとらえなおす
第3部 自由時間の獲得・享受と人間の再生―“わたし”が“わたし”らしく生きるために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
6
1993年の本。企業社会の中で長時間労働がまかり通り、過労死が国際語となる中で、労働時間短縮が人間の自由=人格の全面発達にかかせないことを哲学的に論じたものです。ここでの労働とは賃労働を指しますが、長時間労働短縮は人類史的な課題であり、自由な人間的共同の創出のためには企業社会の呪縛を乗り越えていく大切さがわかります。自由論でも「…からの自由」から「…への自由」の方向性が大切だと著者は説きます。ベースにはマルクス主義哲学が貫かれていますが、人間の無限の可能性に信頼を寄せている著者の学問的姿勢が良かったです。2014/02/13
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