感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
二人娘の父
11
証言のほとんどは著者による生存者、それは主として正規の兵隊ではない属性を持つ方々からの聞き取りである。刊行は1984年。調査はその2年前なので、施政権返還から10年後頃のものである。当時はこれだけのリアルな証言を直接聞くことができたのだ。本書の希少性がここにある。翻って現在、政府が遮二無二突き進む「敵基地攻撃能力」保有と、沖縄県を中心とする琉球弧を防衛線とする計画について考える。まさに1945年の沖縄戦を再現するものであり、その思考に戦慄を覚える。再び沖縄県民を犠牲にしてはならないと強く思う。2022/12/27