内容説明
現在の財政システムを批判的に検討したうえで、赤字構造を脱却し、持続可能な社会を支える財政システムへの転換を展望する。
目次
第1章 財政赤字と日本型財政システム(「小さな政府」の「大きな財政赤字」;日本財政の赤字形成メカニズム ほか)
第2章 日本型租税構造と租税改革の展望(日本の租税が直面する課題;日本の租税構造 ほか)
第3章 都市・農村と地方交付税(地方財政と地方交付税;地域における受益と負担 ほか)
第4章 財政システム改革と税源委譲(危機にある日本の財政システム―税源移譲論の背景;税源移譲の歴史的経緯と現代 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
5
著者は、現在の日本の財政について「開発主義国家」のもとで「小さな政府」の「大きな財政赤字」が問題だと指摘します。それは、先進諸国に比べても低い一般政府支出にも関わらず、「大きな公共事業」などのために財政赤字になっている状態です。こうした財政論の背景には新自由主義的考え方があり、国民や地域に自立・自助を求め、消費税などの「広く薄く」課税するシステムへの転換をはかろうとしていると述べています。全体的には財源論的にどのように地方分権をすすめるかという視点でした。消費税についての言及が少なかったのが残念でした。2014/04/08
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