内容説明
存在の絶滅=死をいかに受容すべきか。唯物論では軽視されてきた死の問題を幅広く考察。
目次
第1章 現代社会と死
第2章 死の唯物論的定義
第3章 不可避な死と哲学者たち
第4章 エピクロス「死の無意味論」批判
第5章 生の絶滅への恐れと哲学―ウナムーノとハイデガーの場合
第6章 絶滅としての死の受容と人生の意味づけ
第7章 唯物論者としての現代人による死の受容と生
著者等紹介
河野勝彦[コウノカツヒコ]
1945年姫路市に生まれる。1975年京都大学文学研究科博士課程単位取得満期退学。現在、京都産業大学文化学部教授
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感想・レビュー
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coaf
5
エピクロスの死の無意味論を軸に唯物論的な死について考察する。数人の哲学者の思想を、彼らの著書から引用する形で紹介していく。彼らの思想を注意深くまとめ、一つの大きな流れの中に取り込んでいくところはうまいと思った。著者自身の思想は彼らの思想に同意したり批判したりする中である程度の方向性を持って語られるが、新規の思想が無い点は残念である。しかし、死を唯物論の立場から語った本は珍しく、哲学者の思想をまとめてある点で卒論の役に立ちそうだったので、購入しようか迷っている。2013/06/07
午後
2
ミゲル・デ・ウナムーノの存在を知ることができたことが一番の収穫だった。そしておそらくジャンケレヴィッチを読むための助走として最適な一冊でもある。2023/08/30