内容説明
「新しい歴史教科書をつくる会」・「自由主義史観研究会」は、1999年6月26日から7月2日まで「小学校社会科教科書の通信簿」を、そして10月19日から10月30日まで「中学校社会科教科書の通信簿」を『産経新聞』に連載しました。その内容は、現行教科書の内容を「自虐・反日・偏向」などと不当に誹謗・中傷するものでした。「つくる会」などは、この記事をリーフレットにして、各地の教師・教育委員会・地方議員に配り、教科書攻撃の「武器」に使っています。本書は、この「教科書の通信簿」を全面的に批判するとともに、歴史のあやまちを後世に伝えることを封じる運動の先頭に立つ「つくる会」の実態と本質を明らかにし、彼らの歴史認識やイデオロギーがいかに危険なものであり、日本を孤立化させるものであるか、それがいかに世界的な流れに逆行するものであるかを、そしてなにより「子どもの権利」を奪い、教科書から真実と自由を奪うものであることを、多岐にわたって分析検討し、批判するものです。
目次
序 学習指導要領を曲解した教科書攻撃―不公平で非常識な「通信簿」
1 いまの教科書「自虐的」ですか―「中学校社会科教科書の通信簿」批判(学説をすりかえた「神話の取り扱い」―「神話」;聖徳太子の「対等外交」は成功したか―「古代」;元寇と倭寇―「中世」 ほか)
2 まちがいだらけの「通信簿」―「小学校社会科教科書の通信簿」批判(都へ税を運ぶ苦しみは、歴史的事実―「古代から戦国時代」;なぜ一揆・打ちこわしを学ぶのか―「江戸時代」;民衆の願いに目をつぶる歴史感覚―「明治維新」 ほか)
3 戦争国家をめざす「つくる会」の教科書運動(「つくる会」の教科書とは―“愛国心”のためには嘘もつく;「つくる会」の採択活動の実態とねらい;教科書採択制度改善について ほか)




