出版社内容情報
性欲は真実の愛にとって障害となるのか!? 愛に捕らわれ縛られる男の「悲劇」…。
「性欲は真実の愛にとって障害となる」という信念を持つ針辻真の前に不思議な雰囲気をもつ幼女が現れる。A子と名乗った幼女は針辻にも性欲は存在すると嗤いながら指摘する。A子の言葉は「呪い」となり、針辻に彼自身の持つ「性欲」を自覚させていく。自分の中にある信念とは真逆の「汚らわしいもの」を見せ付けられ、次第に壊れていく針辻。A子の存在は針辻にしか認識できない。彼女は幽霊なのか、それとも針辻の抑圧された精神が見せる幻なのか…?
【著者紹介】
1989年生まれ。2012年、第1回登龍門にて『とらごころ』でデビュー。読み切り数本を掲載した後、『十月桜』で初連載、初コミックス化。コミティア等にもサークル「良識派」名義で作品を発表している。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
RE:PIRO
6
ここ最近で最もカルトな漫画だと思う。「性欲」という欲求に対する罪悪感の話というあまり漫画でテーマにできそうもないようなことをがっつりメインにしている。 絵も内容もとことん個性的です。 2016/05/16
junf
4
愛と性欲について一度は思い悩む時期があってそれがうまく昇華されない限り歳を重ねてこじらせていく、自分みたいな人間がまさに読むべき漫画、です。話が濃く鬼気迫る表情の針辻の血反吐のように偏見、こじらせ具合が紙面いっぱいにぶちまけられていて、味のある近代美術のような絵柄が精神をざわつかせる絶妙な表情を見せてくれて1巻だけなのにすごいボリューム。意識してもしなくても性欲から逃れられない一種の呪いのようなものへの罪悪感、潔癖感を単純にエッチな作風で向き合うのではなく心にダイレクトに呼びかけるので読んでいて苦しい。2016/08/24
ささやか@ケチャップマン
4
「性欲は真実の愛にとって障害となる」という信念を持つ男が、性欲の化身らしきA子なる少女に憑りつかれ、自身の性欲に悶え苦しむ。読み終わった時、思わず「これで1巻かよ!」と声にして叫んでしまった。それくらいの密度があるのでてっきり1巻で終わると思っていたのですよ……。2016/08/11
maezono
2
この世の全てはゼロかイチかでは判断できないということを、性欲と純愛というモチーフで表すことにより、主人公のもがき、成長する姿がより切迫した描写となっている。セリフの言葉選びも巧い快作!2016/08/06
emanon
2
おもしろいのだけど、個人的には「後輩ちゃんに聞いてみよう」のほうがすき。2016/05/01