出版社内容情報
「僕は君と会ってから君の話しかしていないよ」心に傷を背負った二人の少年が、もがき、苦しみ、そして奏でる美しいハーモニー!
上城裕也は、急逝した天才ピアニストである兄を模した追悼コンサートを行っている。
ただ求められるままに、「兄の音」を奏でる毎日。そんな日々を過ごしていたある日、同じクラスの玉森深月から校内のコンクールに誘われる。いやいやながらも深月の勢いに押され、出場を決めるのだったが……。
心に傷を負った少年二人が、もがき、苦しみ、「自分の音」を探す人間ドラマを、本作でデビューの新鋭が渾身の力を込めて描きます!
【著者紹介】
1990年生まれ。和歌山県出身、在住。京都精華大学マンガ学部卒。コミティアの出張編集部持込がデビューのきっかけとなる。一人カラオケと古典的な洋服が好き。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猿兎
2
いろんなことがはっきりしないまま話が進むけど、なんか引き込まれた。絵も拙いけどなんか訴えかけるものを感じる(特に瞳の描写)。でも関西弁が中途半端なのが気になるかな。二人の演奏がどんなものか、続きが気になる。2015/08/17
とりこ
2
表紙もそうですが、人を追い詰める瞳がぽんぽん出て来ます。主人公の一人にしたら真実なのでしょうが、それは本当にそういう意味なのか。音楽そのものというよりも音楽をモチーフに二人の少年の成長物。葛藤の内容自体はよく描かれるものですが、非常に不安定な描写が絵柄といい、ちょっと気になる2015/08/15
ももんが
1
表紙とあらすじに惹かれて購入。心理描写が主だけど、その表現がワンパターンな感じがある(モノローグだけのコマや狂気じみた顔アップ多用)。投稿作かな?という稚拙さはありますが新人さんのようなので、成長に期待。2015/08/24
積読書店員ふぃぶりお
1
満員の観客が入った会場を魅了するピアニスト上城裕也、彼との共演を願うクラスメート玉森深月。その2人の心に陰を落とす、2つの存在。裕也にとっての兄和成は、2年前に交通事故で亡くした天才ピアニスト以上の存在。今はいない彼に音楽も人生も囚われている。一方、終始柔らかな笑顔を見せる深月にとっての母は、深月の幼少期から心に暗い影を落としているようにみえる。交わる2人の歩み、彼らが共に奏でる音色は果たして何色だろう。葛藤は誰かの二番煎じでも、後追いでも決してない。人の心の奥底をえぐる“おんがく”の旋律に出会えた。2015/08/15
ちぇちゃにゃこ
0
カバーの目力とあらすじをみて「累」のような胸に来るものを期待して買ったが、今ひとつ足りない。絵が稚拙なのは気にならないが、この手の漫画は感情に押し寄せる強さがいると思うんだけど、作者がそう言った感情をがわかったつもりでわからないまま書いている感じがする。2015/09/08