出版社内容情報
本好きの眼鏡男子・遊紙が、美しい歌声を持つ美少年・詩音の心を動かす…。繊細な絵柄で魅了する図書館ファンタジーの傑作!
本好きばかりがくらす町・栞ヶ浜。亡き祖父の故郷・栞ヶ浜へ引っ越してきた高校生・魚住遊紙。“書痴”と呼ばれた祖父の血を継いだ遊紙には、一度読んだ本の内容は忘れないという特技があった。栞ヶ浜学園で図書館に足を踏み入れた遊紙は、文字を喰う魚〈紙魚〉を飲み込んでしまう。そんな彼の前に、不思議な少女が現れて…!?日常と幻想が入り乱れる、本づくしのファンタジー!
【著者紹介】
1987年生まれ。2006年秋のアフタヌーン四季賞にて準入選。本誌で連載中の「くおんの森」ほか、「あづさゆみ」(集英社刊)、「水面座高校文化祭」(講談社刊)、「童話迷宮」(新潮社刊)などの作品がある。イラストレーターとしても活躍中。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
17
本とヴァイオリンと栞ヶ浜を繋ぐ由縁によって引き起こされた共鳴。遊紙と詩音を彼等の御祖父さん世代と重ねる栞ヶ浜の人々に残り続ける日常という時の積み重ねをしみじみと感じます。遊紙が紙魚に本の記憶を食べ尽くされて呆然となる場面と詩音は感覚が一層、研ぎ澄まされたが故に歌を封印したエピソードと相俟って胸が苦しくなります。特に「大切な人だからこそ、反応が怖くて出来ないこと」は思い当たる節がたくさん、あるのでちょっと怖くなりました。そして最後の花はどんなことを予感させるのだろうか?本当に続きが待ち遠しいです!2014/01/06
ぺぱごじら
16
ぼくが好きなコミックの作者さんは『遅筆の人』が多く、釣巻さんもその一人。前巻から1年4ヶ月か…(苦笑)。4巻を読み返してからでないと、付いていけない。『文字と音のシンクロ』は、釣巻ワールドの幻想的な絵にアジャストして、とても良い夢をみた気分にしてくれる。外の月明かりで読みたくなる作品。季節は…5月あたりが良さそう。2013-2042013/12/14
こぽん
5
前巻から1年半もたってたんか…そりゃ忘れてるわ(笑)前巻を読んで再読。だんだん森のこと、栞が浜のこと、明かされてきました。詩音君が早く思いっきり歌えるようになるといいなぁって。遊紙君の中の紙魚、食い尽くしてきちゃったのかしら。不安になります。作者が、本当に本好きなんだなぁって、この漫画読んでたら嬉しくなるのです。2013/12/19
MamaxKoko
4
親同士の出会いを聞いていると二人は出会うべくして出逢ったということが分かる。本に音楽に愛された少年たち。草木や蔦、花散るシーンは幻想的で圧巻。2015/02/16
案山子
4
おお、クライマックス!? 遊紙と詩音は出会うべくして出会った2人だった、ということでしょうね。2013/12/17