出版社内容情報
史記は「激動を生き抜く知恵」の集大成__中国人の思想の源流を探る。司馬遷自伝併録。『史記』に描かれた思想家・文人・学者の多くは、それぞれ皮肉な運命をたどる。本巻では彼らの様々な生き方を扱っているが、そこには司馬遷自身の史眼がいかなるものであったかが垣間見える。「名君が治める国ならば書物も学者も無用である」とした韓非の考えを額面どおり実行した始皇帝。隆々たる漢帝国の思想的支柱として儒学を国定の学問に採用した武帝。その時代が必要とするものによって、思想も風の中の羽のように翻弄される。
司馬遷[シバセン]
西野広祥[ニシノヒロヨシ]
藤本幸三[フジモトコウゾウ]
内容説明
思想は皮肉な運命を内包する。どんな状況にあっても、時代は『史記』を求めている。『史記』は激動を生き抜く知恵の集大成である。
目次
1 喪家の狗(かくして生国を去る―孔子;危険に満ちた流浪の旅 ほか)
2 宿命をおびて(無名を旨として―老子;自由奔放な学―荘子 ほか)
3 状況に生きる(報酬を断わる誇り―魯仲連;追従を重ねた末に―叔孫通 ほか)
4 生き恥をさらして(『史記』に託す―司馬遷自伝;刑余の身にて―任安への返書)