出版社内容情報
今に生きる赤線地帯、遊郭の風情と隠微さを醸す歓楽の秘境・飛田新地。第三者ルポではない、経営当事者が初めて記す色街の真実!
現在、160軒がひしめく大阪・飛田新地。そこで2軒を経営する人物が初めて当事者として内情を語る。ワケあり美女たちの素顔、涙なしに語れぬ常連客の悲哀、アットホームな小部屋の中、タレントばりの美貌の日本人美女たちはどこから来たのか、呼び込みの年配女性の素性、経営者の企業努力、街の自治会の厳格ルール、15分1万1000円のカラクリ、元遊郭の賃料と空き状況、新参経営者の参画等、人間ドラマから数字的なディテールまでを網羅する。
【著者紹介】
大阪・飛田新地のちょんの間を2軒運営するオーナーを経て、現在、飛田で働く女の子を集めるスカウトマン。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
355
【遊廓部関連図書】ド素人から、縁あって飛田で10年間親方をやってらしたという、著者さんのリアルな声。ところどころ内部の人にしか撮れないような画像もあり。飛田も遊廓跡地なんだが、湿った空気感は今でもあるのだろうなぁ。男子になって、いちど足を運んでみたいものである。2018/09/01
mitei
340
飛田新地という日本で有数の遊郭で働く人が書いた1冊。稼ぎはすごそうだけど、やっぱりキツそうな仕事だなと思った。女の子の扱い一つで売上が変わるというのも私には怖くて出来ないな。いろんな事情を抱えた人たちがそれぞれの人生を生きているのは勉強になる。あとがきにあべのハルカスが出来ると景観が悪いと叩く人がいるが、そういう人は理解できないものとして拒絶反応示しているだけのように感じる。2016/10/05
海猫
105
以前読んだ女性著者による某ルポタージュは蔑んだ視点、掘り下げの浅さで不快な読み物だったがこちらは面白い。文章が上手いわけではないものの、朴訥さが良い味わいでそこはかとないユーモアが漂う。前半は遊郭店を開業していく過程がなかなかの臨場感。後半は働く女性たちのエピソードいろいろと興味深い。著者が文章ではぼやきながらも遊郭経営や土地柄を愛しているのがじんわり伝わってくる。特に女の子に対して暖かい目線があるのはたいへん好ましく、題材のわりには内容にどきつさがない。このあたりの案配もあっていい本だと思います。2014/11/11
まさきち
76
先に手にしてしまった「飛田の子」が働く女性たちの人間関係を中心に描かれていたのとは趣が異なり、著者が飛田で"料亭"を開くに至った経緯や、その後の経営上での苦労を綴ったHOW TO本のような雰囲気の一冊。それだけに客として通っていてはわからない町の暗黙の了解などが垣間見れて、楽しみながら読了です。2018/09/20
lonesome
51
飛田という名前は、本で噂を聞くかぎり何か簡単には足を踏み入れることの出来ないベールに包まれた場所というイメージを持っていた。確かに親方がいておばちゃんがいて女の子が座っているという形態は江戸時代からの形を踏襲している今では他にないものかもしれないけれど、そこで生きている人たちは生身の人間だ。特にサユリさんとミズホさんの間の人間関係はとても人間臭くて飛田の中の出来事も外の出来事も何も変わらないんだなと感じ、特別な場所という気持ちはなくなった。閉ざされているのは、守られているからということも理解できた。2015/10/03
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