出版社内容情報
もしも亡くなってしまった、愛するあの人に会えるとしたら?
そんな悲しい奇蹟の物語です。
内容説明
猫にもてることが取り柄の逢沢聡史。29歳にして念願の猫専門ペットショップをオープンするが、この店でとんでもないことが起きてしまった。なんと店の猫が、亡くなった人の魂を宿し、人間の言葉を話し始めたのだ…!我が子の命の誕生とともに、最愛の妻の命を失った中村淳平、31歳。失意の底にいた彼が、まるで運命に引き寄せられるように、そのペットショップを訪れる。すると、ケージの中の美しい猫が言った。「会わせてよ。私が、命がけで産んだ娘に」―(「12月のロシアンブルー」)。別れも言えず引き裂かれ、苦しみもがく人たちに、小さな猫がほんの少しだけ時間をくれる、優しい奇跡の物語。
著者等紹介
梅原満知子[ウメハラマチコ]
1977年、北海道生まれ。お茶の水女子大学卒業。数々の短篇小説を執筆。映像作品のノベライズも手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
235
スコティッシュフォールド→ヒマラヤン→ロシアンブルー→アメリカンショートヘアと続く短編集。最初はね、亡くなった方と遺された人の心残りを解決してね、お涙を頂戴するシステムね。まぁ、いい話風ではあるけど、やり尽くされた方法ですよね。なんて思いながら読んでましたよ。眼球を湿らせながら。そしたら、違ったんだよ。前半は後半へ繋ぐ為のエネルギーを充填していたの。短編としても成立しているけど、1冊で通貫した話としても成立してしていました。(恐らく若い)女性作家さんに依る繊細さが心地よい、爽やかな読後感のお話でした。2023/04/14
かんけー
20
面白いです♪(^_^)v猫好きには堪らない内容にウルウル♪キャットショップあいざわ♪で起きる心温まる奇跡と軌跡のファンタジー( ^ω^ )の4偏のオムニバス。もし?ペットショップで猫に話しかけられたら?どうするだろう?自分だったら...?しかも大切な人だったら...。4つのエピソードの主人公達は其々立場も性別も違うけど、大切な人を亡くした境遇は同じで。一緒に出来なかった事、言えなかった言葉、託せなかった想い等々?何時もはツン(笑)としてるイメージの猫だけど猫本来の優しさを再確認出来て嬉しい♪ただ、→2017/08/01
yamakujira
10
猫専門のペットショップで、定年後の旅行を共にできないまま妻を亡くした一郎はしゃべるネコに出会って驚愕するが、ネコに憑いているのは妻の霊だと確信して連れて帰る。ネコに宿った妻は心残りを果たし、夫も心の整理をつけて、本当の別れを迎える。後悔や未練を残して死別したふたりに、ネコが少しだけ追加時間をくれる奇跡の物語は4編の連作だけれど、第4話はひどい話だな。生きているうちに想いを伝えようって受け止めるよりも、現実にはこんな奇跡はないのだから死んだら終わりだとつくづく思わされた。 (★★☆☆☆)2019/05/06
チェス
6
どのお話も切ない。にゃんこになって帰って来てくれたら想いも伝わるよなぁ。ホロリと。2021/03/06
だい
3
もし大切な人が死んでしまったら猫の姿でも、もし自分が死んでしまっても猫の姿で大切な人に会いたいと思うのだろうか… きっと伝えたかった言葉があると後悔した時そんな奇跡を願ってしまうと思います。 そのような奇跡の詰まったこの一冊の本に感動して泣きました…2017/10/08