出版社内容情報
日本エンタメ小説大賞優秀作品を大幅に改稿。今の金沢市を舞台にした、すごいエンターテインメント時代小説が生まれました!
内容説明
荒れ狂う炎が金沢の町を焼いた。「水路があれば火事を防ぐことができる!」新任奉行の左近は犀川から水を引く壮大な計画に挑む。藩主、利常から与えられた猶予はわずかに一年。「なんとしても成し遂げる!」左近の胸に灯った火のような熱情が、算術家の兵四郎を、農民たちを、鉱山師を動かしてゆく。一方で左近を快く思わぬ男、奥村が計画の妨害を目論み…。立場や身分を超えて交錯する人々の心。現存する『辰巳用水』をめぐる物語。
著者等紹介
山本雄生[ヤマモトユウセイ]
1971年、神奈川県生まれ。早稲田大学中退。脚本『火急の水』が、第39回城戸賞最終候補となる。同タイトルの小説化作品で第3回日本エンタメ小説大賞優秀賞を受賞。書籍化に伴い受賞作を改稿、改題した『お奉行、水がありません!』がデビュー作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いと
14
現存する辰巳用水をめぐる物語。題材は興味深かった。時代劇のようなエンタメだと思う。が、私が雑に読んだ為か詰め込みすぎてこの字数では足らないと思った。読んでいて左手側が薄くなっていく度に、えっ!?どうするの?もう後数ページだよ!?どう終わるの?というドキドキは初めてだったかも。 ここに出てくる女性達素敵。見習いたい。2018/01/22
ロックイ
10
金沢に現存する『辰巳用水』がどんな想いで、如何にして作られたのかを知る事ができました。できうる事ならもっと細かく読んでいきたいと思うほど魅力ある物語でしたが、僅か一年という期限付きの大普請ということですからこれくらいのスピード感があった方が読みやすかったのは確か。この作品片手に辰巳用水探訪をしてみたくなりながら読了です。2017/04/30
あいら
9
取り扱う題材はとても好きなんですが、一つ一つのエピソードの掘り下げかたが浅すぎて、なんだかどれもこれも薄っぺらい中途半端な感じになってしまっていたのが残念会でした。もう少し視点を絞るか、テーマを絞るかしたらよかったのかなぁと・・・。2017/04/12
ひーたろー
7
タイトル通りのライトノベル感。史実らしいが、命かかってる割には切迫感足りないし、奥村が仕掛けてくる妨害とか陰謀も底が浅め。でも、藩のためとかじゃなく、火事で死んだ自分の子供と同じことが起きないようにとか、水を運ぶ女の人が少しでも楽になるように、が理由ってのはステキだな、と思った。2016/11/20
machiyakko
6
読みやすいが、けっして軽いわけではない。多視点で書かれているので、様々な立ち場の人が読んで感じるところが随所にちりばめられている。 仕事経験や家族への想い、現代社会への憤りなどを自分自身と照らし合わせて考えるきっかけをくれる。だから十人十色の感想があると思う。 読書の楽しみってそういうところにあるのではないでしょうか。 いい読書体験でした。2016/11/24