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内容説明
14歳の時、伏姫麒麟は一度だけ、死のうと思った。コインロッカーで生まれた犬彦は、ここではないどこかに行きたいと願った。傷ついた魂を抱え、転生を繰り返してきたふたりが出会った時、物語ははじまる。それは摩陀羅という名の少年を捜す物語。はるか遠い昔―摩陀羅は麒麟の恋人だった。犬彦の親友だった。そして…最後の転生の時を迎えた今、ふたりはもう一度摩陀羅と出会うことができるのか。MADARAシリーズを愛する読者に、そして、現在少年と少女のあなたに捧げる、切なくも優しい青春小説。
著者等紹介
大塚英志[オオツカエイジ]
1958年、東京都生まれ。作家・まんが原作者・評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遠野
7
かつて大江公彦の声を借りて「大切なのは速度だ」と語った大塚英志は、あらゆる物語をあらかじめ約束された消費のために描く。ここで物語とは、スニーカーの靴底一足分の面積から伝わる現実を生き抜くためのツールに過ぎない。それでも、いやだからこそ、抗い難くこの地平へ立ち返る。痛くて苦くてやさしいハルシオンみたいなもの、ご主人様が飽きれば遺棄される少女人形のようなもの。それらはやがて損なわれるその刹那性ゆえに特権的であり得る。そうして、作者の意図はともかく、物語もまた、再び読まれることを待ち望んでいるのだと思う。2015/03/22
セイ
5
単行本のほうを随分前に読んでいての再読。MADARAのシリーズを昔読んでいたので、内容はばっちりです。 この現実的な処理が大人になっている自分には納得がいくけれど、読み物としてもっとベタに完結して欲しかったようにも思います。えっと、今の自分はこういう小説が好きだけど、昔好きだったMADARAの完結編はこうであって欲しくなかったという意味です。うーん、読みたかったのか読みたくなかったのか、よくわからなくなりました。2019/01/21
しぇん
4
再読。長かった摩陀羅サーガの終わりの物語。どこまで実際にあった事でどこからが妄想なのか分かり難い作りになってますが、最後の何となく希望のある終わりは嫌いじゃないです。敗北して終わってしまった天使編等の再開はまぁないでしょうし、これで終わりで良いのでしょうね。2014/06/15
あさひ
4
終わった終わった。何だか前に進む為のイニシエーション的な感じかなこれは。現実観て生きていきます!2011/05/06
卯月
3
再読。伏姫麒麟と犬彦は、前世の仲間を探す旅の途中、麒麟の故郷・淡路島を訪れる。それは、摩陀羅神の復活を阻止するための最後の戦いの始まりだった。約20年前に田島昭宇『魍魎戦記MADARA』を途中まで既読。曖昧な記憶が、107回の転生に疲れた犬彦が微かに思い出す“最初の摩陀羅”に、何となくリンクする。プロローグの、夏目エリスと麒麟の奇妙な友情。恋愛未満の麒麟と犬彦の関係。少年少女たちが抱える閉塞感。結局、殆どが妄想で、この物語の中で実際に起きたことはあまりないのかもしれないけれど、それはそれで嫌いではない話。2013/03/29
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