出版社内容情報
かつて御小人目付として剣と隠密探査の達人だった九十九九十郎(つくもくじゅうろう)。
だが後輩がお役目で命を落としたことを機に職を辞し、いまは町屋でもめ事の内済屋を営んでいる。
齢を経たからできる練れた交渉。見えてくる人の心の綾。
だが、その九十郎も驚くことがある。
ある日家に帰るとひとりの童女が「お帰りなさいませ」と膝をついた。
父母を亡くし、賄いとして雇って欲しいという。
童女は、断っても出て行かず、会津で料理人をしていた父に仕込まれた料理で九十郎を唸らせる。
そんなある日、九十郎は、不忍池の畔で追剥ぎに襲われて、斬り殺された山同心の妻・お照から依頼を受ける。
お照は、夫がたびたび夢に現れては無念だと訴えるのだと述べ、三十両を添えて、涙ながらに事件の真相解明を懇請するが…
内容説明
公儀御小人目付として隠密探索と剣の達人だった九十九九十郎。ある事情で職を辞し、今はもめ事の内済屋を営む。七と名乗る童女が賄いの職を求めて訪れ、居付いてしまうが、料理の腕は九十郎を唸らせる。同じ日、不忍池の畔で追剥ぎに斬り殺された山同心の妻、お照の依頼を受ける。夫がたびたび夢に現われて無念を訴えるという。お照は三十両を添えて、涙ながらに真相解明を懇請した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei302
41
2014年の作品の新装版。「もみ消し屋」元・小人目付九十九九十郎、大名すら恐れさせた情け無用の隠密目付50代の隠居侍。読者が好むポイントを押さえています。食べもの系で料理をするのはお七・12歳。何やら訳ありの子です。お七が作る料理がおいしそうで、続きも読みたくなる。それに対して、メインの話の、冒頭の事件の被害者三屋さんの女房お照さんの境遇があまりにも気の毒で。今も昔も無責任に憶測を交えた話が広まり、苦しむ人がいる。事件の真相が明らかになってもお照さんは救われない。2025/05/07
ひさか
17
2014年2月徳間文庫刊。シリーズ1作目。2025年1月徳間時代小説文庫新装化。番町黒楽の皿屋敷、山同心、消えた女、果たし状、の章で構成。12歳の七と九十郎の関係、掛け合いが面白い。辻堂さんにこんな話があるとは知らなかった。次が気になる。2025/02/28
goodchoice
1
かつて出た本の新装版だが、筋立てはなかなか良い。辻堂さんにしては人情味にあふれ、主人公の老侍のキャラクターもしっかりしている。面白い!次巻も読んでいきたい。2025/03/06
asky0084
0
★✪☆☆☆2025/02/17