出版社内容情報
少年は、空腹に耐えかねて、目の前にいる男の握り飯を奪った。その行為を何度も繰り返していることに気づいたとき、首だけの男に出会う。
男は少年と同じく過去の記憶を無くしていた。侍だったということ以外は。
二人は様々な国へ飛ばされ、少しずつ記憶を取り戻していく。
彼らはなぜ、記憶を無くてしまったのか? 男はなぜ、首だけの姿になってしまっているのか?
第164回直木三十五賞を受賞した著者が、『千年鬼』に続き贈る和風ファンタジー。
第1話 独楽の国
第2話 波鳥の国
第3話 碧青の国
第4話 雪意の国
第5話 消去の国
第6話 和茅国
第7話 波賀里の国
内容説明
少年は空腹に耐えかね、目の前にいた男の握り飯を奪い、追いかけられていた。その行為が何度も繰り返されていることに気づくが、抗えない。ある時、首だけで生きている男と出会う。彼は少年と同じく過去の記憶を無くしていた。侍だったということ以外は。記憶を取り戻すべく、旅をする二人だが、不思議な事態に見舞われて…。二人の過去に何があったのか?旅の果てに待つのは?過去の罪が引き起こす愛おしくも哀しい物語。
著者等紹介
西條奈加[サイジョウナカ]
北海道生まれ。2005年、『金春屋ゴメス』で、第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
51
少年は同じ事を繰り返すループに陥ち込んでいたが、生きた武士の首を拾うことでそのループから抜け出し、その首と共に旅をする事で自分と、そして同じく記憶を無くした武士の首との来歴を知ろうとする。さて、一般的には1467年の応仁の乱から始まり、1573年の室町幕府滅亡(あるいは1615年の大坂の陣)までの、約100〜150年間を戦国時代とされている。この物語は、そうした時代を下敷きにしているのだろうが、戦乱が多くの不幸を孕んでいる事は言うまでもない。いつの時代であろうとも戦争は悲劇以外の何者でもない事は明らかだ。2026/04/25
あのね
29
記憶をなくしたトサとオビトがともに旅をする中で不思議な国に迷い込みながら、それぞれの過去とお互いの繋がりを知っていく。「碧青の国」が特に好きだった。トサとオビトのやり取りに癒される場面もありつつ、個人的には全体に苦しい気持ちでいる時間の長い読書となってしまった。千年鬼と同じく、今後トサができるだけ苦しい思いをしないよう、ただ祈る。2025/08/08
とんこ
27
共に記憶のない少年と首だけの武士が、不思議な世界を通り過ぎながら過去を探す話。善悪や幸不幸についてまとまらない感想を抱きながら、2人の過去が気になって面白く読めました。波賀理云々の仕掛けについてはようわからんけどフィーリングで。因果や事物の裏表もテーマの一つなのかな?読みやすかったのでもう一度その辺考えながら再読しようと思う。銀河鉄道の夜のような不思議で切ない世界をめぐる雰囲気や、進撃の巨人のメッセージを思い出した。2026/08/22
DONA
17
よく見るとなかなか怖い表紙絵ですね。中身はずっしり重め。生きるとは、正義とは、色々なことを考えさせられました。結局彼らはどうなっていくんだろう?終わりのない旅もいつかは終わりがくるのか?2024/10/17
播州(markⅡ)
12
少年トサと、首だけの侍オビトの珍道中。なんだかんだいいつつお互い信頼しあう二人にほっこり。やり取りが小気味よくていいよね。オビトの喝がトサを止めたのも、トサの粗暴さも最終盤でしっかり明かされる。二人のねじくれてもつれ合った因果の糸も絆という形で再び紡がれる。二人の新しい旅路に幸あれ!2025/01/12




