内容説明
「みんなの気持ちがわかるって、だれの気持ちもわからないことよ」大学生活最初の夏、故郷での同窓会に出席した里伽子と拓。しかし、東京に戻った途端、大波瀾勃発。拓の留守アパートに、泥酔した美女―津村知沙が眠っていたのだ!緩やかに距離が縮まりつつあった二人の関係は何処へ。ティーン小説の鬼才が、十代の終わりと愛を瑞々しく描く。
著者等紹介
氷室冴子[ヒムロサエコ]
1957年北海道生まれ。77年「さようならアルルカン」で第10回小説ジュニア青春小説新人賞佳作を受賞し、デビュー。2008年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さてさて
160
『ふと高知の海を思いだした。夏休みに、里伽子と松野豊といった中村市に面した土佐湾の海は、夏だったせいもあって、こわいくらい青かった』。そんな『夏休み』の先に東京で大学生の日常を送る主人公の拓。この作品には二人の女性に翻弄されながらも自らのスタンスを大切にする拓の日常が描かれていました。30年も前の作品なのに古さをまったく感じさせないこの作品。近藤勝也さんのイラストが物語を絶妙に彩っていくこの作品。“新装刊”として登場し、アニメ映画も再上映されるなど、時代を超えて独特な魅力を放ち続ける素晴らしい作品でした。2025/09/22
おしゃべりメガネ
86
やっぱりどうも主人公の「里伽子」が好きになれないですね。「拓」もなんだかんだとよく付き合ってられるなと。誰1人としてマトモなキャラがいないなぁとゲンナリしつつあったトキに救世主の如く現れた「田坂」先輩がステキでした。とにかくこんな人格者、なかなかいませんよね。個人的には憎めない「津村」さんも終盤はなんかいい感じでした。でも、ホントに「拓」は「里伽子」のどこがそんなに好きなんでしょうね。前作から読み続けましたが、最後まで彼女が好きになれず、なんだかそんな自分にちょっと残念なキモチになってしまっています。2026/03/22
よっち
41
大学生活最初の夏、故郷での同窓会に出席した里伽子と拓。しかし、東京に戻った途端、大波瀾が勃発する第二弾。帰宅した拓の留守アパートで、勝手に泥酔して眠っていた美女・津村知沙の存在。そして離婚した父の相手との邂逅。大学の先輩たちの恋愛に振り回されたり、父の相手に凹まされた里伽子を慰めたり、相変わらずな拓の様子が読んでていて懐かしかったですけど、それでも高校時代とはまた違った確かな成長が感じられて、これからもすれ違って喧嘩したりしながら、二人で絆を育んでいくんんだろうなと思えるその関係性がなかなか良かったです。2023/07/07
マホカンタ
40
年齢的には、間違いなく拓や里伽子の親世代であるのに、読みながらすっかり彼らの目線で物語に没入できるのは、私もあの時代、同じように地方から大学進学で上京し、一人暮らしをしていたからだろうか。前作で1人、高知で鎧に身を包み、弱味を見せまいと虚勢を張っていた里伽子の脆さが、今作では際立っている。里伽子の傍に、盾となり毛布となり寄り添う拓がいるからこそ、里伽子は立ち向かうことができるんだろうな。もしこれが、里伽子目線で語られた話だったら、生々しくって読めなかったはず。拓目線だからこそ成り立つ物語。読んでよかった2023/09/20
たるき( ´ ▽ ` )ノ
33
Kindle unlimitedにて。映画やってるのかー!観たくなっちゃうね、これは。この等身大な雰囲気が好き。拓の怒り方が可愛い。2025/07/16




