内容説明
一人暮らしをしている小森椿のベランダに、突然真っ白な鳩がきた。怪我をしているようで、飛び立つ気配はない。仕方なく面倒をみると、白鳩に愛着がわいてきてしまった。数日後の帰宅途中、謎の男に「お前は俺の次の『鳩護』になるんだ」と奇妙な宣告を受ける。鳩を護るのが宿命だという。なにその運命?どうして私?混乱する椿をよそに、白鳩は椿の日常を否応なく浸食していく。
著者等紹介
河崎秋子[カワサキアキコ]
1979年北海道別海町生まれ。2012年「東陬遺事」で北海道新聞文学賞受賞。14年『颶風の王』で三浦綾子文学賞を受賞しデビュー。同作でJRA賞馬事文化賞を受賞。19年『肉弾』で第21回大藪春彦賞を受賞。20年『土に贖う』で第39回新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
papako
42
はじめましての芥川賞作家さんだと思って読んでましたが、調べたら直木賞だった!最初はどうも主人公椿の同僚福田さんへのネガティブな思考が、わかるだけに嫌でしょうがなくて楽しめなかった。ハト子は可愛かったのでがんばって読みました。芥川賞作家だって思い込んで読んでいたので、そういう文章だよなーとか思ってました。楽しんだんだかなんだかわからないうちの読了でした。鳩護になったのに幸運もお金も求めなかった椿はよかったし、幣巻との交流もよかった。最後のおまけのスピンオフは福田さんが恐怖でした。。。2024/08/25
布遊
31
「今までの本とは、違う雰囲気」と思いながら読み進むが、生き物愛は、他の本と同様伝わってくる。鳥のことはよく分からないけれど、気持ちは通じ合うものなのですね。昔は、なくてはならない役目を持っていた鳩。これから、街中で、鳩を見る目が変わってくるかも・・2025/04/20
まさ
28
文庫本で再読。河崎秋子さんの作品は人や動物の息づかいがすぐ近くに感じられる。人の生活と密接な関係にある鳩は、人に利用されてきた生き物。代々の鳩護の記憶を辿りながら、鳩に"選ばれる"主人公を通して、護り護られる関係であることを改めて感じる。2024/03/18
lisa
11
装丁が可愛らしくて初めての作家だけど手に取ってみた。作家の癖なのか、文体がなかなか堅いのでとっつきにくいかな、と思ったけれど、なんか面白い。中盤になってもなんか面白いし終盤もなんか面白い。ハト子は可愛いし椿は不安定だし。この世界感、私の好きな栗田有起に似ている。真顔で荒唐無稽な話されて、私何読まされてんの?みたいな作品が好きな人にはいいかも。ホゥ。2024/02/18
Hula
4
★★★★☆2024/05/17
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