出版社内容情報
天なのじゃ。名は天のために捨てるものじゃ――
下野国喜連川藩。
わずか五千石の小藩が、なぜ十万石の大名同様の扱いを受けたのか?
秀吉、家康…権力者から国を護った、足利の血を引く姫たちの戦。
文芸評論家・細谷正充氏絶賛!
満を持してという言葉が相応しい作品だ。
史実の内側に、熱いドラマを創り上げ、歴史を動かしてみせた。
それをやってのけた神家正成が、優れた歴史時代小説作家で
あることを、証明しているのである。
(解説より)
小弓公方の家に生まれ、美しく武芸にも優れた足利嶋子。
だが関白豊臣秀吉の小田原攻めで北条方についた
夫の塩谷惟久は出奔。
仕置のため宇都宮に来た秀吉に、足利家再興を願い出た嶋子に、その聡明さを
認めた秀吉は、嶋子を側室として迎え入れる。
一方、父の逝去によりわずか九歳で古河公方となった足利氏姫は、お家復興を願う
嶋子の弟、足利国朝に嫁ぐ。
だが国朝は病死。氏姫はその弟である頼氏と再婚し、喜連川家誕生の架け橋となった。
豊臣秀吉による関東・奥州仕置、関ヶ原の戦いに勝った家康の幕藩体制強化。
ふたつの大きな危機を乗り越え、小藩存続に尽力したふたりの姫の「女子(おなご)の戦」。
【目次】
序 章 皐月の風
第一章 晩秋の扇
第二章 籠中の鳥
第三章 鞍馬の狐
第四章 浪速の夢
第五章 女子の戦
第六章 紅蓮の炎
終 章 皐月の空
解説 細谷正充
内容説明
わずか五千石の小藩ながら、江戸幕府から大大名同様の扱いを受けた喜連川藩。その陰には二人の姫の存在があった。足利公方家のひとつ小弓公方の家に生まれ、美しく武芸にも優れた足利嶋子。父の逝去によりわずか九歳で古河公方となった足利氏姫。豊臣秀吉による関東・奥州仕置、家康の幕藩体制強化。権力者による大きな危機を乗り越え、小藩存続に尽力した姫たちの「女子の戦」。
著者等紹介
神家正成[カミヤマサナリ]
1969年愛知県春日井市生まれ。日本推理作家協会会員。陸上自衛隊少年工科学校(現:高等工科学校)、富士学校修了。北海道にて74式戦車の操縦手として勤務。依願退職後、韓国に留学、韓国と関わる仕事に従事。2014年『深山の桜』で第13回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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