出版社内容情報
ミステリ;サスペンス;囮捜査官;北見志穂;山田正紀;警察小説;太田愛;KENTOO;トクマの特選
内容説明
芝公園周辺で頻発する高級外車の放火事件。深夜の邀撃捜査の現場、停電の6分間の闇を突いて、剃毛され日焼け止めクリームを全身に塗られた女性の全裸死体、そして被害者のミニチュアのように添えられたユカちゃん人形が発見された。大胆不敵な殺人死体遺棄事件。人形連続殺人に隠されていたのは過ぎし日々―高度経済成長社会が生んだ哀しい歪な構図だった。終焉を迎えた昭和への哀切な鎮魂曲。
著者等紹介
山田正紀[ヤマダマサキ]
1950年生まれ。74年『神狩り』でデビュー。『地球・精神分析記録』『宝石泥棒』などで星雲賞、『最後の敵』で第3回日本SF大賞、『ミステリ・オペラ』で第2回本格ミステリ大賞、第55回日本推理作家協会賞を受賞。SF、本格ミステリ、時代小説など、多ジャンルで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
宗次郎
9
高度経済成長やバブルは教科書や映像に頼るしかないがどんな時代だったのか。354Pの放火犯が語ることは本当に考えさせられる。戦後100年も経っていないのにここまで成長したのはすごいことだろう。そして歪みをあちこちに作った。作らざるを得なかったのかもしれない。この本が出た後、様々なことが起きた。歪みが蓄積し目に見えるようになってきているのかもしれない。2023/01/09
悪者みきこ
3
袴田はどうなったのか。毎度最後が悲しすぎる。小倉は一体何者なのか。その答えは味覚にあるの?味覚は徳間からはもう出んのかな?買わなきゃいかんな。2024/04/12
はんく
1
囮捜査官シリーズの第4作目にして現時点(令和6年3月)で最終作。既刊の第5作は幻となり当初予定されていた令和を舞台にしたリブート作品(作者曰くシーズン2)は予定をすぎて未だに刊行されない。警察官としての能力は身に付いた被害者体質だけという北見志穂が(袴田が不在という事情もあってか)この作品では時に閃き、推理し、動き回って独自に捜査し真相に自らたどり着く。第1作から随分と進歩したものだ。事件は高級外車連続放火とユカちゃん人形殺人の2本の軸が交差しその後も付かず離れずの距離感を保ちながら警察を翻弄していく。2024/03/31
ベリー
1
⭐️⭐️⭐️2022/12/05
ryomisawa
0
シリーズ第4巻。初読以来の再読なのだが、一切記憶にない。本来、もう少しボリュームがあるべき作品となるべきだったのでは、と思う。2022/10/12