出版社内容情報
執筆足かけ六年――。
著者渾身の大河伝奇絵巻、最高潮!
狂うてよいか。女院が義清に囁いた。狂ってしま
ったのは義清の方であった。その晩のことに感情
のすべてを支配されている。もう、我慢が利かな
い、また逢うしかない。しかし女院は言う。あき
らめよ、もう、逢わぬ……。義清は絶望の中、こ
みあげてくる熱いものにまかせ、鳥羽上皇の御前
で十首の歌を詠み、書きあげた。自分がさっきま
でとは別の人間になってしまったことを、義清は
悟っていた。著者渾身の大河伝奇絵巻、第二巻!
内容説明
狂うてよいか。女院が義清に囁いた。狂ってしまったのは義清の方であった。その晩のことに感情のすべてを支配されている。もう、我慢が利かない、逢うしかない。しかし女院は言う。あきらめよ、もう、逢わぬ…。義清は絶望の中、こみあげてくる熱いものにまかせ、鳥羽上皇の御前で十首の歌を詠み、書きあげた。自分がさっきまでとは別の人間になってしまったことを、義清は悟っていた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
豆電球
12
史実にうまく"あれ"が融合してきた感じです。それでもまだまだこの先どうなるのか見当もつかないので読むのが楽しみです。西行がこれから起こる歴史の波にどう抗っていくのか、文覚が今後どんな道を選ぶのか、宮中のおどろおどろしい禍の顛末も気になります。特に藤原摂関家の気味の悪さにはゾクゾクします。嫌悪感が募りはするのだけれど、もっと知りたいという欲求も。頼長は好きじゃないけど嫌いにもなれない、なんだか気になる存在です。次巻ではいよいよ保元の乱勃発でしょうか。楽しみです。2022/05/23
luadagua
10
待賢門院璋子への熱い思いを宮廷の襖絵に添える歌で表現して、そのまま出家し西行となった佐藤義清…。出家してからも璋子のそばに居続けるとかストーカー気質があるけど、そのくらい強い思いがあるからこそ、歌が光るのかもしれない。そして、璋子の死の顛末も悲しい。懊悩する西行を見守り、大事なところは押さえる清盛が頼もしい。だんだんきな臭くなってきて、まもなく保元の乱が始まるけどどうなるのやら。宿神ももっと存在感を増してくるのかな? 崇徳上皇が悲しいところはあまり読みたくないなあと思いつつ続きを読む。2025/06/07
かめゆき3
8
待賢門院璋子は以前大河ドラマで見て、嫌なイメージしかなかったのですが、この作品でなおそのイメージが深まりました(笑)。西行さんはともかく、西行さんの妻子が気の毒過ぎる。待賢門院璋子の晩年を知らなかったので、驚きました。これまで 璋子に囚われ、璋子のためだけに生きてきた西行さんが今後どう生きて行くのか楽しみです。2022/02/24
suntalk
2
佐藤義清、覚鑁と出会う。鳥羽上皇、覚鑁、待賢門院璋子らの前で、十枚の襖絵に向かって、璋子への思いを十首の歌に書き記す。その後、出家し、西行となる。2022/05/18
ほにょこ
1
★★★☆☆ 彼女への想いは募るばかり。ついにその情熱がほとばしる! そして西行として生まれ変わったものの・・・。狂おしく悲しい話でした。この後はどういう話になるんでしょうね。2022/05/23