徳間文庫<br> ある日 失わずにすむもの

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徳間文庫
ある日 失わずにすむもの

  • 乙川 優三郎【著】
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  • 徳間書店(2021/12発売)
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  • サイズ 文庫判/ページ数 234p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784198946968
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

アフガン、ミャンマー、イラク始め、今現在、世界を襲っている不幸。

そんな状況を予見したかのような作品!
ある日突然、起こりうる近未来の戦争。
世界各国に生きる人々の奪われゆく日々や、愛情、未来。誰にでも起こりうる恐ろしい状況。明日には失う、いとおしい生活を、無駄のない研ぎ澄まされた美しい文体で描く。

この小説の主人公は明日の私たちかも知れません。
小説には力があると信じられる12篇!

誰が始めたともわからない近未来の戦争。昨日と同じ日が続くと思っていた日常が、ある日突然奪われる。
北米、ヨーロッパ、アジアの国々の参戦、そして日本。地球規模のパワーゲームが私たちに強いるであろう決断と残懐。

誰が始めたのか、何を争うのか、何もわからない。気付けばそこにあった戦争を、受容していく人々の姿に衝撃を受けた。
本作は、ふと日常にあらわれた戦争の暗い穴を提示する。作中の人々が穴に吸い込まれるように入っていく様子に驚きながら、自分もまたその後を追ってしまうのだろうと思った。
音が消えても心で鳴り響くブルースのごとく美しい文章。読み終えてもまだ心で鳴り続け
ている。
中江有里(作家・女優) 「Foresight」 2018/10/28

遠からず世界を襲うかもしれない不幸。
そのとき、人々はどのように旅立ち、何を失うことになるのか。

マーキスはNYのスラム育ち。戦争で、ようやく築いた生活とジャズミュージシャンの夢を奪われる。
フィリピンでは、17歳のマルコが銃をとり、人買いの手から娼婦の妹を守る。
グアムのホテルマンとして生活を築いてきたベンは、身重の妻に徴兵の知らせが届いたと告げる…。

ある日とつぜん踏みにじられるかけがえのない日々。夢や、幸せ、明日への希望が砕かれる理不尽な現実を描いた12篇。

「どこか涙のようにひんやりとして」  
NYブロンクスで育った少年がジャズと出会う。
「万年筆と学友」   
貧しい女子学生の淡い恋……。(カナダ)
「偉大なホセ」  
ワイン農家のホセが蓄えたすべては……(スペイン)
「ニキータ」ホテルマンとして築きあげてきたベンの生活が……。(グアム)
「みごとに丸い月」中国系アメリカ人家庭。母国が敵になり…。(アメリカ)
「アペーロ」 房総に暮らす男。夢はアワビの養殖とボサノバ…。
「ミスター・パハップス」恋人は夢想家。がんにきくという調味料を開発すると金を集め…(インド)
「足下に酒瓶」いい波と酒があれば満足。サーファーたちの夢…。(ポルトガル)                 
「隔日熱病」作家を目指して出会った出会ったのは…(パリ) 
「十三分」 孤独な男が初めて知ったいとおしい世界。(アメリカ)
「こんな生活」 貧しい農家が豊かな暮らしを手に入れたが…。(中国)

内容説明

マーキスはNYのスラム育ち。戦争で、ようやく築いた生活とジャズミュージシャンの夢を奪われる。フィリピンでは17歳のマルコが銃をとり、人買いの手から娼婦の妹を守る。グアムのホテルマンとして生活を築いてきたベンは、徴兵の知らせが届いたと身重の妻に告げる…。ある日とつぜん踏みにじられるかけがえのない日々。夢や幸せ、明日への希望が砕かれる理不尽な現実を描いた12篇。

著者等紹介

乙川優三郎[オトカワユウザブロウ]
1953年東京都生まれ。96年「藪燕」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。97年『霧の橋』で時代小説大賞、2001年『五年の梅』で山本周五郎賞、02年『生きる』で直木三十五賞、04年『武家用心集』で中山義秀文学賞、13年、初の現代小説『脊梁山脈』で大佛次郎賞を受賞。16年『太陽は気を失う』で芸術選奨文部科学大臣賞、17年『ロゴスの市』で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みも

128
約20頁・12篇の短編集。時代も国もバラバラだが、何れも反戦小説。しかしながら声高に反戦を訴える作品はない。その表現手法は首尾一貫しており、ささやかな人生を営む小市民が、近未来の時の権力者が始めたであろう戦争の暗い影に蝕まれる悲哀を、その日常を描く事によって表出させる。それ故に展開の骨格が似ている為、継続して読むとどうしても中弛み感は否めず飽きてしまうというのが率直な感想。その中にあって、寓話的単純明快な作風の「偉大なホセ」の余情が美しい。一作毎に時間をおいて断続的に読めたら味わい深い読書になる気はする。2025/07/08

ふじさん

90
各々の人生が、理不尽にも、自分以外の存在に左右されることには、葛藤や、諦めや、抵抗や、未練が付きまとう。あらゆる国を舞台に描かれているが、彼らの根底にあるのは、反戦への強い思いだ。「偉大なホセ」の最後に知る村人の彼への思いが心温まる、「ニキータ」のベンとドナの生まれる娘への思いが切ない、「アベーロ」は、日本が舞台で千紘と渚月の戦争がなければ結ばれたであろう二人の思いが分かるだけに辛い。戦争によって踏みにじられるかけがえのない日々。夢や希望が打ち砕かれる理不尽な現実を綴った短編集。思わぬ拾い物の1冊だ。 2022/08/25

MIKETOM

8
サブタイトルは英語ではあるが「12の反戦物語」となっている。すなわちそういう本。といっても惨たらしい戦闘シーンなどが出てくるわけではない。物語の後半はほとんど同じ。どこかで戦争が始まりやがて召集令状が来る。そしてそれまで培ってきた人生、生活、人間関係が破壊されてしまう。そんな世界を描いている。乳がんで闘病中の妻を残しての招集。プロポーズ直前の招集。彼女は最後まで待っているとは言ってくれなかった…。芸術家である弟の命より大事な指をへし折る兄。招集逃れのために…等々。やりきれなさ、無念さ、絶望感、→2024/12/21

西澤 隆

4
ウクライナでの戦争は単に反戦を唱えているだけでは時に蹂躙されてしまうということをあきらかにした。しかしその一方でほとんどの市井の人にとっては戦争は、昨日から明日への日々のつながりを突然ぶった切るとてつもない理不尽だということもまたまちがいのないこと。おそらく近未来の日々に訪れた世界大戦によって理不尽に変えさせられる人々の人生を語る淡々とした連作短編に、読んだ僕はあらためて「ああ、戦争はイヤだ」と実感する。ただ、その「イヤ」を避けるためにどうすればよいかを考えなければいけないのも今の時代のリアルなのだな、と2023/07/04

読書熊

4
せつない反戦小説2022/08/29

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