徳間文庫<br> 愚か者の身分

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徳間文庫
愚か者の身分

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  • サイズ 文庫判/ページ数 349p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784198946487
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報


第二回大藪春彦新人賞受賞作!


葉真中顕氏絶賛!
「デビュー作とは思えない筆致。
同業者としては恐ろしい新人が出て来た」


戸籍ビジネスの闇に蠢く半グレを描いた
新時代のクライム群像劇!

================

身寄りなし。
身分証なし。
金なし。

そんな優良人物をSNSを駆使して
探し出すのがマモルの仕事だ。

狙うは戸籍。

女性を装い言葉巧みに
相手の個人情報を引き出して、
売買が成立すれば報酬をもらえる。

ある日、マモルは上司から
不可解な指示を受けた。


タクヤと距離を置け。


自分にこの仕事を紹介してくれた先輩に、
なにが起きたのか。
翌日、タクヤの部屋の掃除を命じられた
マモルが見たのは、
おびただしい数の血痕だった。
もう、タクヤはこの世にいない。
悲しみにくれるマモルに
一通のメールが届いた。

それは、タクヤからのメッセージだったーー。

===

【作者より】

受賞作の短篇に、その先の物語と背景を描いた
書下しの長篇です。

舞台は東京。

闇ビジネスを背景に、登場人物それぞれの
浅はかな「愚かさ」を書いてみました。
ある者は運命的に。
ある者はちょっとした弾みで、
意識のないまま犯罪に手を染めていきます。

そんな「愚か者たち」のお話です。

西尾潤

内容説明

SNSで女性に成りすまし、言葉巧みに相手の個人情報を引き出して、戸籍売買を持ちかける。それがマモルの仕事だ。ある日、マモルは上司から不可解な指示を受けた。タクヤの部屋を掃除しろ。自分にこの仕事を紹介してくれた先輩に、なにが起きたのか。タクヤの部屋でマモルが見たのは、おびただしい数の血痕だった―。戸籍ビジネスの闇に蠢く半グレを描いた新時代のクライム群像劇!第二回大藪春彦新人賞受賞作。文庫版特別書下し短篇収録!

著者等紹介

西尾潤[ニシオジュン]
大阪府出身。ヘアメイク、スタイリスト。「愚か者の身分」で第二回大藪春彦新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

H!deking

96
おー、これは好きなやつです。好みは分かれるかもしれませんが、個人的にはめちゃくちゃ面白かった。ざっくり言うと、半グレ集団の戸籍売買の話ですね。うーん、これがデビュー作か。大藪新人賞クセが凄い(笑)文庫版の最後の短編は単行本には無いみたいなので、未読の方はこちらをお勧めします。葉真中顕の解説も良かった。おすすめ!2021/06/26

kawa

32
戸籍や臓器売買を生業とする半グレ集団を描く群像短編小説集。大藪春彦新人賞受賞作品なのだそうで、興味深いテ-マを疾走感あふれる筆致で楽しめるハ-ドボイルド小説に仕上がっている。文庫本では特別書き下しの章が加えられ、次作品の「マルチの子」(偶然にも直前読了)に繫がる仕掛けになっている。注目の女流作家氏発見だ。因みに解説の浜真中顕氏曰く、半グレとは「格差や階級は厳然としてあるはずなのに、眼に見える境界は溶けてしまい曖昧になっている。そこに根城を張るのが半グレだ」と、印象的表現で紹介している。2021/07/31

re;

30
欲を満たす前に、知を満たすべきだ。あれが欲しいこれが欲しい。のその先にあるものの容赦のなさ、目の前の快楽に身を委ねる事のコスパの悪さを腑に落とす知性を養う機会が学校であってほしい。弟の知人が、昔ひったくりで捕まった。余罪で明らかになった、元友人が犯罪で手にした金を保管している家に侵入し盗難。高跳びした件。金額は数千万。その数千万で得たすべてに胸を張れないことを教えてくれる人が彼の近くにはいなかった。愚か者とはなにか。身を堕とすそのプロセスはいつだって救いがなさすぎる。その友人の現在の行方は誰も知らない。2024/01/23

ゆん

27
SNSを駆使し、言葉巧みに個人情報を引き出し戸籍売買を持ちかける半グレ詐欺集団のお話。 戸籍ビジネスの闇に蠢く半グレたちの群像劇ですが、デビュー作とは思えないほどよく出来ているなーって思いました。 登場人物はタイトル通り愚か者だらけで救いがたい連中ばかりの中で最後だけ少し救わえる思いがした。2021/06/06

タケチヨ

26
戸籍売買ビジネスを軸にした連作短編集。組織の金に手を出したタクヤという男が制裁を加えられる1場面が様々な人間たちの視点で描かれているが、悪行の末端で『これでいいのか』と自問自答する登場人物たちのエピソードはどれも人間味溢れていて感慨深いものがある。特に仲道の章は探偵モノ、梶谷の章はロードムービー的な雰囲気があり面白かった。初読みの作家さんでしたがこういうアウトローな世界観の別作品(これの続編でもいいのだが)を是非とも期待したい。2023/10/07

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