出版社内容情報
「草どん、語ってくれろ」どこからともなく現れた子狐は、目の前にいた草に話しかけた。物語をせがむ子狐に、草どんは重い口をひらく……。
子狐に山姥、乙姫に天人、そして龍の子。民話の主人公たちが笑い、苦悩し、闘う!
「俺たち、本当に存在しているんですか?」
やがて物語は交錯し、雲上雲下がひずみ始める。物語が世界から消えてしまうのか?
不思議で懐かしい、ニッポンのファンタジー。
内容説明
昔、むかしそのまた昔。深山の草原に、一本の名もなき草がいた。彼のもとに小生意気な子狐が現れ、「草どん」と呼んでお話をせがむ。山姥に、団子ころころ、お経を読む猫、そして龍の子・小太郎。草どんが語る物語はやがて交錯し、雲上と雲下の世界がひずみ始める。―民話の主人公たちが笑い、苦悩し、闘う。不思議で懐かしいニッポンのファンタジー。“第十三回中央公論文芸賞受賞”
著者等紹介
朝井まかて[アサイマカテ]
1959年大阪府生まれ。甲南女子大学文学部卒業。2008年小説現代長編新人賞奨励賞を受賞し『実さえ花さえ』でデビュー(受賞作は文庫化され『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』と改題)。2014年『恋歌』で直木賞、同年『阿蘭陀西鶴』で織田作之助賞、2015年『すかたん』で大阪ほんま本大賞、2016年『眩』で中山義秀文学賞、2017年『福袋』で舟橋聖一文学賞、2018年『雲上雲下』で中央公論文芸賞、2019年『悪玉伝』で司馬遼太郎賞、同年大阪文化賞、2020年『グッドバイ』で親鸞賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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